2025/08/25〜2025/12/02 100本達成!
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2025/12/02 ファイアーエムブレム(クロード) +1
2025/12/01 ポケットモンスター(セキ / シンオウ) +1
2025/11/30 原神(ディルック) +1
CATEGORY
原神 / ゴッドイーター / 刀剣乱舞 / ファイアーエムブレム / ポケットモンスター / ルーンファクトリー
原神
ディルック
「……よかった」
誰もいないベッドで眠るのは、やっぱり今でも少しさみしい。 アカツキワイナリーで暮らすようになって、はひとりぼっちではなくなった。使用人たちは皆より早起きで、部屋を出れば誰かしらと顔を合わせることができる。誰もがに快く接してくれるおかげで、…
視覚旅行
「。これを君に」 ディルックから差し出された小箱を、言われるがままに受け取った。手のひらに乗せられたそれはひと目見ただけでもわかるほどの上質な細工が施されており、なんとなくいい香りがする。 エキゾチックな香りと細工の模様から察するに、これは…
清心の花パイ
璃月には「清心」という花がある。 断崖絶壁にしか咲かない、透き通る白い花。温もりよりも高所の冷たさを選ぶこの花の生態は、その見てくれも相まってセシリアの花をどことなく彷彿とさせる。 そして、璃月にはその清心を材料にした「清心の花パイ」とい…
冬って怖いな
冬が近づけば近づくほど、ベッドと別れるのがつらくなる。 とはいえ、は別に朝が苦手というわけではない。昔はそれほど得意ではなかったけれど、花屋でのバイトのおかげで慣れざるを得なかったのだ。 かつては家族に起こされていたはずの朝は、誰の手も借…
練習熱心な君へ
帰宅後、ディルックは奇妙な物音を耳にした。それは――たとえば、何かを打ちつけるような音。もしくは、削り取るような音でもあった。どれもひどく微かなものであるが、敏感な彼の耳は確かにそれを拾ったのだった。 広い屋敷に響く音をたどると、着いた先…
いちばんの証
共に暮らすようになって間もない頃、は少しばかり様子のおかしいときがあった。 もちろん彼女がよそ見をしているとか、怪しい動きがあるとか、そういった意味ではない。いきなり連れてこられたら緊張するのは当然だろうし、ディルックだってその件で問い詰…
おはよう、そしておやすみなさい
ディルックとは変わらず仲睦まじく過ごしているが、しかし、二人の関係にはひとつ、ひどく身近で大きな障害があった。 それは、二人の生活リズムが微妙にズレているということである。オーナー業のみならず闇夜の英雄として日夜尽力しているディルックは、…
そんなもの、きっとどこにもいない
真っ暗で静かな夜を、何度も何度も独りきりで過ごした。 にとって、家のなかはあたたかくて安らげる場所のはずだった。大好きな家族はみんな笑っていて、暖炉の火は優しくて、おいしいココアも用意してもらえて、リビングで団欒のひと時を過ごしたあと、眠…
べちゃん
先日、エンジェルズシェアで不思議な話を聞いた。とある常連客が、雑談の合間に「家に猫が落ちている」などと言っていたのだ。「落ちている」のは猫だからなのか、それともペットだからなのか、果たしてどちらなのだろう? 幼少期に亀を飼っていたことはあ…
ガイア
愛おしき写真
磨き抜かれた机の上には、馴染みのない景色を映した写真が所狭しと並べられている。モンドでは到底見ることのできないそれらはの興味を引き、まるで宝物のようにきらきらと煌めいて見せた。「……で、これがのびのびリゾートの北西にある、ティティ島での写…
リサ
立派な大人になるために
近頃、には密かな楽しみがひとつ増えた。それは西風騎士団本部にある図書館へと足を運び、読書に励むことだ。 手に取る本の内容は毎度バラバラである。あるときは稲妻の娯楽小説を翻訳したもので、またあるときは著名な吟遊詩人の詩集――さらにはかつてモ…
タルタリヤ
ご機嫌になっちゃった
タルタリヤは、ときどきよくわからないところで「かわいいね」と言ってくる。 まだ納得ができるのは、一緒に寝ているときなどだろうか。わたしのことを抱き枕にしているときの「かわいい」はまだわかるのだけど、思わず首を傾げてしまうのは、たとえばごは…
理由は結局わからずじまい
今日のタルタリヤは妙にご機嫌だ。 何か良いことでもあったのだろうか? 鼻歌交じりに料理をつくったり、にやにやしながら武器の手入れをしたり……それを喜ばしいと思う反面、なんとなく落ち着かないのがという女だった。 落ち着かない理由はひとつだ。…
どういうこと?
――なんだか視線を感じる。あちこちから向けられる好奇の目にが眉間のシワを濃くしていると、異変に気づいたらしいタルタリヤがひょこんと顔を覗き込んできた。「随分と考え込んでいるようだけど、どうかしたのかい?」 いきなり視界に飛び込んできた、深…
あまい光
まんまるの頬を指でつつく。深く寝入っているせいか無防備なそれは普段よりも柔らかくて、思わず夢中になってしまった。 何度つついてもこねくりまわしてもいっさい目を覚ます気配のない子猫は、タルタリヤの腕の中で安らかな寝息を立てている。あまい色を…
ヨォーヨ
きみの呼吸と思い出のはなし
「にぃに、にぃに! 主人公さんは、そこからいったいどうなったの?」 深い深い琥珀の瞳を輝かせながら、ヨォーヨは身を乗り出して話の続きをねだってくる。 膝に乗せられた手のひらは熱を持っており、服を隔ててもその興奮が伝わってくるほどだった。「落…
鍾離
松蘿仙芽
「ああ、お前か。俺と一緒に茶でもどうだ」 その日、の体には雷が落ちた。 リラックスとは程遠い相席は、遺瓏埠の片隅で始まった。何気なく町をぶらついていたは、予想外の人間に――「人間」と言うにはやや不敬な気もするが――捕まってしまったのである…
重雲
白黒の紙芝居
人は声から忘れてゆくものらしい。 そういった俗説を聞いたのがいつだったかは覚えていないが、重雲にはひどく納得のできることであった。なぜならば、最近になっての声を思い出せないことが増えているからだ。 彼女の言葉は覚えている。その笑顔も、香り…
五回目の別れ
――なあ、。ぼくは、とうとう前を向くべき時が来たのかもしれない。 否、別に自分の生きかたが後ろ向きだとは思っていない。少しばかり視線が下に向いている自覚こそあるが、ネガティブなことしか考えないとか、毎日泣き暮らしているとか、そういったあか…
あの日のアイスの味
「重雲は、アイス作るの上手なんだね」 かし、と爽やかな咀嚼音を立てながら、が出し抜けに口を開く。彼女の手には重雲の手作りアイスが握られており、歯型の残った断面を見つめながら何度もまばたきを繰り返している。「まあ……体質的に必要不可欠だし、こ…
嘉明
完全犯罪メッセージ
今日の嘉明はひときわご機嫌だった! それはいつも一緒にいるウェンツァイや鏢局の仲間のみならず、通りすがりの他人ですらひと目で察せてしまうほど、今の嘉明は調子が良かった。 原因としては様々だ。たとえば、昨夜久しぶりに長時間ぐっすり眠れたこと…
髪飾りが揺れる
「――ほら、! 一緒に食べようぜ、半分やるから!」 まばゆい笑顔の嘉明に手渡されたのは、ほかほかの猊獣まんだった。細かいところまで趣向を凝らしたそれはウェンツァイによく似ており、今にも動き出しそうなほどイキイキとした表情をしている。 せいろ…
頑張り屋の快気祝い
でん! と目の前に現れたのは、かわいいかわいいフワフワヤギがあしらわれたケーキだった。「ちゃんが元気になったのが嬉しくてね、おばちゃんつい張り切っちゃった」嘉明そっくりの笑顔で言う葉おばさんは、の視線がケーキにまっすぐ注がれているのを満足…
ティナリ
幼い筆跡の呪い
「先輩の家って、本当に何回見てもひどいよね……」 外部からこの惨状が目に入らないことだけが救いだろうか。ため息混じりに足を踏み入れながら、ティナリは吐き捨てるようにつぶやく。 家の主は気まずそうに目をそらし、乱れきった家中をひっくり返してい…
アルレッキーノ
傲慢で憐れな錯覚
「……以上が、今回の経過報告となります。結論といたしまして、多少の小競り合いこそあるものの、当該地域の情勢は概ね安定しており――」 が言葉を切ったのは、前方から注がれている視線に気がついてしまったからだった。 ……おかしいな。ついさっきまで…
シャルロット
水の上の日常
「あら! さん、今日は社内でお仕事なのね。一緒にいられて嬉しいわ」 見るからに興味津々といった調子で話しかけてきたシャルロットに、はため息で応える。 別に、彼女のことが嫌なわけじゃない。なんと返せばいいかわからなかっただけだ。は握りっぱなし…
答えはお仕事のあと!
「私、ボディガードなんていらないと思ってたわ」 ヴェリテくんのフィルムを交換しながら独りごちるシャルロットを、は見守っていた。彼女がこちらに話しかけているのだと気づいたのは、まるみを帯びた頬がふくりと膨れた頃だった。 の眉間にシワが寄る。ど…
ゴッドイーター
テルオミ
幼なじみの距離感
「あれ……ちゃん、タツミさんのお祝いに行かないの?」 通路の隅でしゃがみこんでため息をついていたおり、聞き慣れた声が頭上から降りかかる。同じオペレーターの制服に身を包んでいる幼なじみは、怪訝そうに首を傾げながらの隣に腰を下ろした。 誰が歩い…
刀剣乱舞
薬研藤四郎
ちょっと試してみたかった
※ちょっと変換が特殊。 なまえ①→名前 なまえ②→あだ名 になっています。 あたまをからっぽにして読んでください。 --- ――お、じゃん。おはよ、今日もよろしくね。 の朝は、清光の妙な呼び方から始まった。が怪訝な顔をすると清光は首を傾げ…
信濃藤四郎
日向ぼっこ、しようね
桑谷本丸は今日も平和である。刀剣たちは皆、畑仕事なり手合わせなり散歩なり、各々が自由気ままに生活していた。 彼らがのびのびと過ごしているところを見ると、皆が付喪神であることなんて忘れてしまいそうだ――縁側で日向ぼっこをしながら、はぼんやり…
信濃藤四郎
寄り添うように
――ねえ信濃くん、お買い物行こ! 朝食後に食器を片づけていたとき、大将はそう持ちかけてきた。期待に満ちあふれる淡い色の瞳を撥ねつけられるわけもなく、俺はいま、大将と二人でいわゆる「お買い物でえと」と洒落込んでいる。 ここ最近の大将は、前み…
つぶれた心臓
今日も、あたしと信濃くんは二人で縁側に座り込んていた。 ここに来るたび、あたしたちは少しずつお互いのことを知っていく。何をするでもなくほうっと庭を眺めたり、ちょっとした世間話をしたり。時にはお互いハマっているゲームの話で盛り上がったり………
七日目の抱擁
じわじわと脈打ちはじめる胃を抑えつけながら、廊下の突き当たりにある角を曲がったとき。あたしは、秋の陽射しに照らされる縁側と、そこに佇む「赤」を発見した。 お目当てだったはずのそれを視認した途端、あたしの胃はぐるりとひっくり返りそうになった…
七日目の転機
「認めること、かあ――」 ぽつり。布団の上で独りごちながら、あたしは代わり映えのしない天井を見つめていた。 信濃くんが帰ってきてから早三日。あたしは、お風呂とトイレ以外でほとんど部屋を出ていない。ごはんは毛利くんかんばちゃんが運んできてく…
四日目の揺籃
毛利くんは何も言わない。あたしの嗚咽がおさまるまで、彼は優しい沈黙を貫いてくれていた。 けれど、その沈黙が恐ろしいのもまた事実だった。……何かよくないことを言ってしまったかもしれない。毛利くんに見放されたら、あたしはどうしたらいいんだろう…
四日目の再会
※軽度の嘔吐描写、極の帰還セリフバレあり --- 信濃くんが帰ってきた。彼がうちの本丸の門を叩いたのは、初日に彼を見送った時刻――いつも手紙が届いていたのと、やっぱり同じだった。「あっ……大将! みてみて! 俺、こんなに凛々しくなったよ!…
三日目の手紙
※手紙の内容バレあり --- 「主さま、大丈夫ですか……?」 ふすまの外から聞こえてくるのは気遣わしげな毛利くんの声だ。その声色だけで、彼があたしをひどく心配してくれていることが伝わってくる。 大丈夫だよ、と言ってあげたいのに、あたしの喉は…
二日目の手紙
※手紙の内容バレあり --- 『――気が落ち着くのは良いんだけれど、俺、こんな調子で強くなれるのかな?』 二通目の手紙は、一通目のときとほぼ同じ時刻に届いた。 それは奇しくも――むしろ当然と言うべきか――信濃くんを見送ったのと同じ頃で、あた…
一日目の手紙
※手紙の内容バレあり --- 『――俺の名の由来になった方だけど、縁は途切れてしまっているみたい。じゃあ俺は、どこへ行けばいいんだろうね?』 自室の奥でひっそりと開いた、信濃くんからの手紙。その記念すべき一通目は、上記のとおり締めくくられて…
零日目の記憶
「それじゃあ大将、行ってくるね」 いつもと変わらぬ愛らしい笑みを浮かべて、信濃くんはとうとう修行の旅に出発してしまった。 結局、その背中が見えなくなってもあたしはその場から動くことができなかった。共に見送ったんばちゃんは気遣わしげにあたし…
次元の違う恋心
「大将、今日は何のゲームやってるの?」 信濃が部屋を覗いたとき、は相変わらず液晶画面とにらめっこをしていた。 曖昧な返事を流しながら中に入り、彼女の隣に腰を下ろす。そっと覗き込んだ画面には、男士たちに勝るとも劣らないきらびやかな男たちが何人…
毛利藤四郎
たまごのようなあの人
屋敷相応の広さを持つ畑を前に、本日の畑当番はそれぞれ正反対の顔色をしている。 作業に乗り気の毛利と違って、信濃の顔はいささか渋い。広い畑を前にため息が増えている兄弟を宥めつつ、毛利はせっせと手を動かしていた。 畑の世話をするのは好きだ。他…
ファイアーエムブレム
クロード
あなたと二人で生きること
――涙が落ちる音を聞いたことはあるか。 その問いかけは、生憎とクロードにはあまりピンと来ないものだった。あんな小さなひとしずくが落ちたところで音が生じるわけはない。落涙で音が鳴るとすれば、それこそ飛竜のような巨大生物でもないと有り得ないだ…
あなたを思い出しただけ
今日のガルグ=マクは暑かった。翠雨の説も半ばに差し掛かった頃、突然の猛暑日の到来に修道院はてんやわんやである。 生徒の大半は制服を夏服に着替え、教師たちも普段より薄着で歩いている。外套を脱いだがゆえにハンネマンから風紀が乱れると叱りつけら…
ポケットモンスター
ユウキ
※近親愛要素有
あたしたちへの答え
※近親愛要素有 --- オレたちって、双子なのになんでこんなに違うんだろうな―― 夕食の時間だった。やっと片づいてきたリビングの真ん中、テーブルを挟んで食事をしていたときに、ユウキがそうつぶやいたのは。 今日の晩ごはんは、お隣さんにおすそ…
コランダム
※近親愛要素有 --- オレたちって、双子なのになんでこんなに違うんだろうな―― 狭い狭いひみつきちのなか、ユウキはこちらに背を向けたままそうつぶやく。反射的に振り向くと背中越しに彼のバシャーモと目があって、妙な気まずさを感じながら愛想笑…
しあわせの調味料
※近親愛要素有※オリ地方要素有 --- ムックルのなきごえを聞きながら目覚める朝にも、近頃はずいぶんと慣れてきた。寝起き一番にスマホロトムで時間と通知を確認して、寝返りを打ち、隣でおだやかな寝息を立てる片割れのつむじを眺める。それがユウキ…
甘えんぼなんだから
※近親愛※オリ地方要素 --- 「今日はだいぶ冷え込んでるな……」漏れ出た独り言を聞きながら、は背中に覆いかぶさってくるずっしりとした重みを受けとめた。知らぬ間にすっかり異性の体になった兄は、いっさいの遠慮なく全身でこちらにもたれかかってく…
ナタネ
夕暮れクラウドウォッチング
ナタネが待ち合わせ場所に到着したとき、はぼうっと空を仰いでいた。 ターコイズの瞳に映るのは、少しずつ夜に染まろうとしている夕暮れだ。まるで時間のすべてをおさめたようなその色に、思わず足を止めてしまった。 おだやかなようでも、無機質にも見え…
サラダよりもにがいもの
「あたし、なんでこんなことやってるんだろう……」 ナタネは困惑していた。それは置かれている現状というより、こんな行動に出てしまったおのれに対して、である。 ため息混じりに声を潜める彼女は、ハクタイジム近くのとある電気屋に足を運んでいる。否、…
バトルしよーよ!
「よぉ〜し……それじゃあ、ロズレイド、キノガッサ、モジャンボ! それからみんなも、協力お願いね!」 ナタネの音頭に声をあげるポケモンたちは、それぞれの目的を果たすために四方へと散っていく。 ロズレイドはくさポケモンたちを集め、床をピカピカに…
ヒウンアイス
「くんって、外では意外とおとなしいよね……」 しみじみとナタネがつぶやいたのは、なんてことない夕暮れのこと。ジムの閉館を見計らって彼女を迎えに来た帰り道、橙色に染まった町を眺めながら二人で歩いていたときだ。 こちらを見上げてくるナタネの顔を…
(多分ブイゼルだよなあ……?)
「くん……! ごめんね、ちょっと付き合ってもらってもいーい……!?」 それは、何気ない秋口の深夜一時のことだった。「観たい映画があるので、今夜はちょっと夜ふかししますね」夕食後のの言葉に、ナタネは快くうなずいてくれた。本当なら彼女も一緒に観…
しびしび正座
ロズレイドは辟易していた。今すぐにでも二人の頭の上から「しびれごな」をふっかけてやろうかと思うほどに、長らく続く痴話喧嘩を横目に見ながら、数え切れないほどのため息をついている。「まったくもう、くんのわからず屋!」「ナタネさんこそ、どうして…
セキ
晴れ間のような笑顔が
ぽて、と居間に転がっているを前に、セキは冷や汗をかいていた。 別に彼自身が危害を加えたわけじゃない。ただ、遠き日の記憶が蘇っただけ。サイホーンの群れに襲われて生死の境をさまよっていたときの、青白い頬が脳裏をよぎってしまっただけだ。 静かに…
ヨネ
コトブキマフィンの運命や如何に
「ヨネさん、あのね。ちょっと聞いてもらいたい話があるんだけど……いい?」 ポケモンたちが寝静まった頃のこと、声を潜めたがそっと身を寄せてくる。どうやら何か、秘密の話があるらしい。「どうしたんだい、あんたがそんなふうに言うのも珍しいね」ヨネも…
セキ / シンオウ
カウンター
「セキはさ、を束縛したいとかされたいとか、そういうのってないの?」 突然ぶっこまれた爆弾に、セキは思わず飲み物を吹き出しそうになった。 彼が手にしているのは、行きつけのきのみジュース屋の新商品である「モモザロンジュース」だ。モモンのみのあま…
ゆけ! 目指すはミアレシティ!※Z-Aネタバレ有
※Z-Aのネタバレ有 --- ――遥か彼方のカロス地方はミアレシティで開催されるという「大ヒスイ展」。がその名前に反応したのを、セキは決して見逃さなかった。 ニュース番組にの目は釘づけだ。食べかけの食パンを皿に置く余裕もなく、ぼんやりと口…
楽しいことを見つけよう
ああ、いったいどうしろって言うんだ――背中から感じるぬくもりによって、オレはみっともなく冷や汗をかいている。 この世には、「据膳食わぬは男の恥」という言葉がある。 それに関してはオレも同意だ。第一の理由として、か弱い女が勇気を出して誘っ…
何も考えられないくらいに
ドンカラスに揺られながら朝焼けのヨスガシティを進み、程なくしてあたしたちはセキさんの家に到着した。 少し前からひとり暮らしを始めたセキさんは、時おりこうしてあたしを家に招いてくれる。と言ってもそこに下心なんかなくて、たとえばあたしが家族や…
暗がりを切り取る
今日という日は珍しく、胸騒ぎがして寝つけなかった。シンオウを旅している間ですら快食快眠だったオレが、よもやこんなふうになるだなんて。 ゴロゴロとベッドのうえを転がりながら、ひどく無益な時間を過ごす。リーフィアに頼んで無理やり寝かしつけても…
誰よりも、何よりも
――ここはいったいどこだろう? 妙に薄暗くてどこか色あせたような景色の真ん中に、あたしはぽつんと立たされている。 周りには何もない。ここにあるのは嫌な湿気とゴツゴツした岩肌、それからやけに張りつめた空気だけ。それらの放つ圧によって、あたし…
マイ
花畑のポケモン
あたしには、少し不思議なお友だちがいる。 どこか浮世離れした雰囲気のその子はマイちゃんといって、おっきくてもふもふのウインディとなかよしの、とてもとても優しい子だ。知り合ったのはほんの少し前のことで、マイちゃんがたまたまこの街を通りかかっ…
その他
答え合わせは一年後
「そういえばさあ、知ってるか? 今日ってイーブイの日らしいぞ」 口を開いたのはテルだった。彼はご機嫌でにじゃれつくニンフィアを見ながら、思い出したように言う。 彼の隣で腰を落ちつけているノボリもまた、感慨深そうにうなずいた。「わたくしも聞い…
キョウヤ
ウキウキ水やり
「ヒヤップ、ヒヤッキー、おいで! 一緒に水やりしよう!」 の弾んだ声が、ホテルZのエントランスに響く。軽い足取りの彼女を追いかけるのは、いつも以上にご機嫌で笑っているヒヤッキーと、最近仲間になったばかりのヒヤップだ。 ポップな効果音が聞こえ…
デジャヴ
「――じゃじゃーん! みてみて、キョウヤ! おっきなヤナップ捕まえたの!」 逸る足取りでホテルZへ帰る道中、運良くキョウヤと出くわした。今にもとびかかる勢いのに面食らったのか、彼はクールな双眸を何度もしばたたかせている。 の隣にいるのは先ほ…
違和
もやもやが胸を支配するたび、ミアレの屋上にのぼっていた。 たとえばそれは、ちょっと嫌なことがあったとか、妙にストレスが溜まっているとか、そういうのだ。なんとなくすっきりしない気分のときこそ屋上にのぼる。のぼる場所はどこでもよくて、それこそ…
ツイスター※Z-Aネタバレ有
※サイドミッション18バレ --- ベール広場近くにあるカフェ・ツイスターは、気まぐれなつむじ風が吹くが如く、いつもなにかしらの騒ぎが起きると噂の店だ。 少々根は張るもののコーヒーや紅茶の評価は高く、サイドメニューのタルトもあちこちで評判…
本気にするよ※
※直接的な単語が出るので注意 --- 「そういえば、キョウヤはモミジリサーチだいぶ進んでるんだっけ?」 夜遅くに帰ってきたホテルZのロビーには、一人でスマホロトムを眺めているキョウヤの姿のみがあった。カウンターにもたれるその居姿はひどく洗練…
最後の夜に、ちょっとだけ
※Z-Aネタバレ有(かも) --- ――ねえ、キョウヤ。どうしても話したいことがあるから、あとで屋上に来てくれる? ホテルZの古びたエレベータのなか、の言葉を反芻する。タウニー特製クロワッサンカレーを食べ納めたあとの彼女は、いつもどおりお…
ガイ
コミュニケーション
ミアレシティの喧騒と歓声のなか、タブンネ色のバレッタがせわしなく動くのを、特等席から眺めている。 はバトルが好きらしい。ガイにはあまりピンとこない感覚だが、ポケモンとともに切磋琢磨するのが快感なのだと言っていた。ポケモンバトルというのは傍…
待ってるからさ〜※Z-Aクリア後ネタバレ有
※Z-Aクリア後ストーリーバレ※ふわっと朝チュン --- ふと気がつくと、ふわふわとした何かに全身を包み込まれていた。夢でも見ているのだろうか? チルタリスに抱きしめられているかのような文字通りの夢心地は、疲れきったガイの心身を癒やしてく…
バレッタの彼女※Z-Aネタバレ有
※微妙にZ-A本編バレ --- ぎぃ、バタン。古びたドアをくぐった先には、少しずつ見慣れてきたガイの姿がある。慣れない土地の見知った顔に妙な安心感をおぼえる一方で、間違い探しのような違和感にセイカのまばたきの数が増える。 違和感のひとつは…
マサル
もらっちゃった
……なんだか視線を感じる。否、二人で一緒にいるのだから見られるのは当たり前だが、それにしたってあまりにも、ガン見しすぎではないだろうか。 とはいえ、にはマサルの視線の理由がわかっていた。こんなふうに見られるのは今年で六回目になるだろうか?…
ねらいうち
……なんだか視線を感じる。否、二人で出かけているのだから見られるのは当たり前だが、それにしたってあまりにも、ガン見しすぎではないだろうか。 左方から刺さるマサルの視線に、は冷や汗をかいていた。人知れず背中に流れるそれが新品のワンピースに染…
もうダメ、かも
最近、マサルの様子がおかしい。「おかしい」と言うのは不適切だろうか? 普段通りと言えばそうなのだけど、なんだかいつにも増して甲斐甲斐しいというか、妙にわたしのことを気にかけてくれている気がするのだ。 わたしが疲れてソファに吸われていると、…
チリ
※GLD
キョジスキ
「ありがとう、キョジオーン。いつも助かってるわ」「キョジスキ!」 キョジオーンから受け取ったトレーの上には、コーヒーの入ったカップがふたつ。緑と水色のそれは同棲を始めたときにお揃いで買ったもので、チリにとってもにとっても、ひときわのお気に入…
ルーンファクトリー
オンドルファ
親心
オンドルファはため息をつく。砂漠の砂の匂いを嗅ぎながら、誰に向けるでもない独り言をつぶやき、机の上に積まれた本を眺めた。 普段から研究や読書を好んでいるおかげか、彼がどれだけ神妙な顔をしていても、周りが変に心配したり、茶化したりするような…
ダグ
花嫁の喜び
「ねえ、ダグ! うちの庭でオレンジを育てましょう!」 オレンジの苗木が入った袋を片手にやってきたを、ダグは怪訝な顔で迎えた。彼女が突拍子もないのはいつものことだが、その手に携えられているものが少々珍しかったからだ。 まごころ雑貨店では季節に…
アレス
見てるのか?
はとても寝相がいい。それはもう、時おり心配になるくらいに。 どれくらい寝相がいいかというと、ひとたび寝入ってしまえば朝まで微動だにしない、なんてこともあるくらいだ。否、もちろん僕だって一晩中見張っているわけではないし、実際は寝返りくらい打…
このくらいがちょうどいいや
「一目惚れ」って、少し怖い。 わたしは、アレスくんのことを好きになって人生ががらりと変わった。いずれは帰るつもりだった故郷に別れを告げ――とはいえ定期的に里帰りはしているのだけど――このリグバースに根を下ろし、のんびりとした、穏やかな日々を…
うん、とっても!
近頃、はいつもどことなく幸せそうにしている。彼女のことを一番近くで見ているアレスは、その些細な変化を見抜いていた。 しかし、いくら些細なものであろうと、この変化は彼女がリグバースを愛していることの証だ。その表情は彼女がまだ旅人だった頃には…
フブキ
※メインストネタバレ有
ひと組の布団、ふたつの枕
「ねえ、フブキ? 思ったのだけど、私たち、布団はひと組でいいのではないかしら」 冬の社で朝を迎えるようになって、ひと月ほど経った頃。共に朝支度を済ませて布団を畳む傍ら、はフブキに声をかける。 の提案の意図がぴんときていないのか、フブキは分厚…
三色だんごはギリオーケー
――お願いがあるんです。フブキがそう持ちかけてきたのを、スバルは固唾を呑みながら受け止めた。 里長として、あるいは大地の舞手として、里人たちのお願いを聞くのはもはや日常と化している。ゆえにこういった頼まれごとには半ば慣れつつあるのだが、相…
至高の愛情
「ええと……さん? これはいったい――」 フブキは困惑していた。目の前に鎮座する「それ」について、脳の処理が追いついていないせいだ。 呆然とする彼とは裏腹に、並び立つは涼しい顔をしている。その横顔はどことなく誇らしげなふうで、クラマの言う「…
至上の名案
※Ver.1.1.0アップデートのネタバレ あたまをからっぽにして読んでください。 --- 「ちょうどいいところに来たわね、アースマイト。あなたに頼みがあるのだけど」 淡々とした声がかけられたのは、スバルが居酒屋ヤチヨでコタロウと相席してい…
待ちぼうけ
フブキは今日も待ちぼうけだった。 理由は至極単純で、居酒屋ヤチヨに勤めるの帰りを待っているからである。 彼女は祝日を除くとほぼ毎日のように出勤していて、その直向きな姿勢を見れば彼女がヤチヨと良好な関係を築き、また仕事に対してやりがいを見出…
彼女の秘めたる危うさについて
帰宅直後のフブキを襲ったのは違和感だった。 否、違和感と言えど決して不快なものではなく、むしろ彼にとっては利と数えられるものである。それを「利」だと判断することに、多少の罪悪感はあるが。(これは……もしかして、さんの香水瓶?) 半獣神であ…
たった二文字の言葉から
※メインストネタバレ --- 近頃、フブキの腹の底には鉛が溜まるようになった。それは少しずつ心に重みをもたらし、彼の表情が曇る原因となっている。 その鉛が決まった人と話すときだけ存在を主張してくるおかげで、ともすればその人のことを嫌ってい…
痛む右足、揺れる背中
ああ、どうして自分はいつもこうなのだろう。吹きすさぶ冬の風のなか、の脳内は自己嫌悪で満ち満ちていく。「うーん……これは、無理に動かさないほうがよさそうですね」 フブキの静かな声は山の静寂に凛と響く。普段なら心地よいはずのそれが、今は少しだ…
クラリス
過去は平穏を許さない
※微妙にネタバレ注意(かも) --- 秋の野原の北部にこじんまりと存在する、ターゲスアンブルフの居留地。首領であるクラリスは、冬の里に移り住んだあともなお、定期的にこの地へと足を運んでいた。 主な目的はやはり、先日の戦いで重傷を負ったのお…
ハウンド
※メインストネタバレ有
砂場※現パロ
※メインストネタバレ --- 「君ってほんとにゲーム下手くそだよね」 隣でコントローラを握っているハウンドが、心底呆れたように言う。横目に見る彼の両指はせわしなく動き続けていて、のんびりと働いているのそれと並べると、まるで違うゲームを遊んで…
犬パロ
※メインストネタバレ有
※擬獣化要素有
▶ネタバレ有の概要
双子の子犬になったフブキとハウンドの飼い主になる現パロ
突っ張ったままの後ろ髪
※龍ファク特大バレ有※擬獣化要素有 --- 「最近、新しい家族とはどうだ」 カフェの雑音をすり抜けて、凛とした声が耳に滑り込んでくる。の正面に座るクラリスは洗練された所作でティーカップを手に取り、そのまま口元へと運んだ。紅茶を味わうために伏…
これからよろしくお願いね
※龍ファク特大バレ有※擬獣化要素有 --- 最近、は犬を飼いはじめた。理由としては大したものではなく、単に寂しかったというだけだ。 気まぐれで立ち寄ったペットショップで果たした、運命の出会い。ふと目にとまったのは珍しい毛色をした二匹で、片…
コタロウ
塗抹詩書
今日は祝日、居酒屋ヤチヨの定休日だ。秋の里に移り住んでから居酒屋ヤチヨで働かせてもらっているも、週に一度のお休みを満喫していた。午前中は家でのんびりしてリフレッシュしたので、午後からは秋の里の散策に精を出している。 この里に住み始めてから…
マウロ
天気予報
――ああ、やっぱり降ってきたか。 常夏雑貨店の軒先でぼうっと空を見上げながら、は思案にふけっていた。 梅雨の神であるは、なんとなくだが雨の気配を察知することができる。集落が健在の頃であれば雨を降らせることもできたが、集落が壊滅し、なけな…
雨の瞳、春の頬
――逆に訊くけど、あんたの国の言葉であたしの目の色はどんなふうに言うの。唐突に訊ねてきたに、マウロはまばたきを繰り返した。 いったい何の話だい? そう聞き返す前に、ふと脳裏をよぎった出来事がある。あれは確か先週の月曜日、夏の里での一幕だ。…
誰のみぞ知る?
※Ver.1.1.0アップデートのネタバレ あたまをからっぽにして読んでください。 --- 近頃、アズマでは妙なものが流行りはじめている。 その妙なものとはいったい何か――答えは等身大パネルである。どこの誰が始めたのかはいっさい不明だが、…
うなじに隠された秘密
クサツ旅館のお風呂はマウロも日常的に利用している。爽やかで解放感のある露天風呂は彼の心を射止めてやまず、鳥の鳴き声から空の雲の動きまで、毎日新たな発見のあるこの場所を彼はひどく気に入っていた。 しかし、この旅館はどうしてこんな名前なのだろ…
さすがにそれは反則ちゃう?
「ねえ、テゾーロ? アズマの言葉で、オレの瞳の色は何て表現するんだい?」 マウロが話を振ってきたのは、夏の里の陽射しを東屋の下でやり過ごしていた、昼下がりのことだった。 この里で暮らすようになってもう何年も経つが、照りつける太陽にはいつまで…
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