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1000文字以下の掌編や会話文などを投げるとこ。
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2024/08/15〜 毎日更新中

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2024/09/28 原神+1
2024/09/27 原神+1
2024/09/26 ポケットモンスター+1

CATEGORY

原神 / ゴッドイーター / ファイアーエムブレム / 崩壊:スターレイル / ポケットモンスター / ルーンファクトリー

原神

  • カレンダー(ディルック)

     カレンダーの日付を見ながら、はじっくりと思いふけっていた。今日は彼女にとってひどく特別な日であり、ほんの少し淋しさを連れてくる日でもある。 何を隠そう、今日は彼女が初恋のあの人――ディルック・ラグヴィンドに出会ってからちょうど四年となる日…

  • 俺が育てた(タルタリヤちょっと下品)

     このところ、タルタリヤの目が訝しげに眇められるときがある。はじめこそ気にしすぎかなと思っていたけれど、ここまで続くのを見るにどうやらただの勘違いというわけではなさそうだ。「ねえ、なんか最近変じゃない? ……わたし、何かした?」 わたしがそ…

  • 落とし蓋(嘉明)

     の泣き顔なんて、今までの人生で何度も見てきた。 近所のガキ大将に泣き虫だっていじられたときとか、かくれんぼで誰も見つけられなかったときとか、仲良しのフワフワヤギがいなくなったときとか、截拳道の修行がしんどいときとか。他にも、オレは幼なじみ…

  • 何も言わずに寝てしまえ(タルタリヤ)

    「……ま、待ってくれよ、? そういうのはちょっと、さすがの俺も困るんだけど――」 うろうろと視線を彷徨わせるタルタリヤの、真っ青な瞳を見つめた。返事など知らぬとばかりの振る舞いは、いつも向こうがやってくることだ。 彼は戸惑っているのだろう。…

  • よぉく、味わって(ディルック)

     今日のおやつは楽しみにしておくといい――それだけ言い残して、ディルックさんは私室から出ていった。わたしはいつもと違う彼の背中を見送りながら、三時のおやつに思いを馳せていたのだけれど……(す……すごくいいにおいがする。ちょっとくらい覗いても…

  • 皿の上の強敵(タルタリヤ)

    「……はい、。あーんして」「んむ……」「ダメだよ、好き嫌いなんてしちゃ」「…………」「一人前の戦士になるんだろう? まったく、食べ物の好き嫌いも克服できないなんて、君の覚悟はその程度のものだったのかな」「っ……その程度って言うけどさ、わたし…

  • バルーンフラワー(ディルック)

     時おり、が耐え忍ぶように両目をきゅ、と瞑るときがある。はじめのうちは僕の言動で怖がらせてしまったか、もしくは何か嫌なことを思い出させてしまったのかと申し訳なく思っていたが、今しがたそれがおおきな誤解であることが判明した。「ば……爆発しそう…

  • 僕だけを見ていろ(ディルック)

     最近、アカツキワイナリーに一匹の子犬が仲間入りした。それは比喩的な表現ではなく、本物のちいさな犬である。 愛くるしい彼はあっという間に従業員の人気者となり、首輪もしていなかったことから野良であると判断された結果、とあるメイドが嬉々として引…

  • たとえどれだけ些細であろうと(ディルック)

     朝のお支度を手伝うとき、ディルックさんのネクタイを結ばせてもらうことがある。 そういった経験が今までほとんどなかったわたしは、最初の頃なんか本当にもたもたしちゃって、やっと結べても形がぐちゃぐちゃで見てられないことばかりだった。きっとディ…

  • わかんなかった?(タルタリヤ)

    「ほんと、は俺のこと大好きでかわいいよね」 ほんの少し締まりのない顔で、タルタリヤはそう言ってのける。わたしのことを思いっきり抱き込むその両頬には、いつも「満足」の二文字が書かれているようだった。 わたしとしては、納得いかない。だってむしろ…

  • 何もしないということをする(ディルック)

     大聖堂に足を運ぶたび、なんだか不思議な気持ちになる。 件の事故のあと、しばらくここに保護してもらっていたのがもうずっと昔のことのようだ。あの頃は本当、みんなに――とくにバーバラちゃんにはひときわ迷惑をかけたな、と反省することが多い。 わた…

  • わたしの人生って、(重雲)

     わたしの人生は無駄なものなんかじゃなかったって、胸を張って言えるような人間になりたかった――なんて、そんなキラキラした考えはとうの昔になくなった。否、もしかするとどこかに忘れてきてしまったのかもしれない。 こういうとき、世間では「お母さん…

  • 糸の先(ディルック)

     幼い頃に読んでもらった娯楽小説で、「運命を手繰る赤い糸」というものが出てきたことがある。小指から伸びる赤い糸は将来的に結ばれる相手と繋がっていて、主人公はその糸に導かれるまま窮地を脱し、愛しい人のもとへと命からがらたどり着いていた。 おじ…

  • 言うこと聞いてよ(タルタリヤ)

     ひとりで寝るのは好きじゃない。だから、タルタリヤが毎晩のようにわたしを抱きしめながら眠ってくれるのが、本当はすごく嬉しくて、安心して、すき。 でも、わたしはタルタリヤに「すき」と伝えるのがひどく怖い。あの日の記憶が脳裏にこびりついているの…

  • TIE(リネ)

    (――あ。このネクタイ、リネくんに似合うな) フォンテーヌの街角を歩いていると、様々なものが目に入る。美味しそうなスイーツ、可愛らしいアクセサリーに、興味深いマシナリー……そのどれもが私の目を引いて、ついつい足を止めてしまう。 そして、きら…

  • わかってるよ、全部ね(タルタリヤ)

     わたしは、自分のことが好きじゃない。生きているだけで苦しくて痛くて、毎日のように消えてなくなってしまいたいと思っている。 タルタリヤに新しい名前をもらって、新たな自分に生まれ変わった今であっても、その気持ちは未だなくなってくれなくて、わた…

  • 約束なんて意味がない(重雲)

    「なあ、。ナタに温泉があるという話は知っているか?」 重雲は、まるで大切にしまっておいた宝箱を開けるように、わたしに話を切り出した。彼の話の種は遠く離れた国、ナタについてのことだった。 重雲は続ける。自分には「純陽の体」があるから、きっと温…

  • わたしに教えてくれるかな(綺良々)

     天狗様は、わたしが稲妻に帰ってくるたび「おかえり」を言ってくれる。 わたしが「狛荷屋」のお仕事でどんな国に行って、どれだけの距離を走って帰ってきても、必ずわたしのことを迎えて、頑張ったことを褒めてくれる。それが、わたしにとっては不思議だっ…

  • 星のような想いを(ディルック少し背後注意)

     ディルックさんは、わたしにひどいことをしない。 それは日常生活ではもちろん、夜であっても同じことだ。ベッドのうえで触れ合っているときも、あの人がわたしに無理を強いたり、乱暴に体を組み敷いたりするようなことはいっさいない。わたしが言い出しさ…

  • 元素反応:溶解(重雲夢主死ネタ)

     冷たい秋風に吹かれるたび、を抱えて走ったあの日のことを思い出す。 少しずつ冷たくなっていく四肢。まるでただの「物」、もしくは中身のない器のようになっていく体を持ち上げながら、無我夢中で走った夕暮れ――あれはぼくにとって忘れられない記憶のひ…

  • いなくなった友だち(嘉明)

     翹英荘では、数え切れないほどのフワフワヤギが至るところで飼育されている。フワフワヤギはとても温厚な性格で、下手にちょっかいをかけない限りは人間にも友好的に接してくれるのだ。 もちろん、翹英荘の生まれであるにとっても、彼らはひどく身近な存在…

  • こんなときに?(タルタリヤ)

    「君ってさ、ほんとに可愛い顔してるよね」「はあ? なにそれ、煽り?」「とんでもない。本心さ」「……じゃあ、お世辞?」「本心だって言っただろ。まあ、俺が見てるのは美醜というより表情やリアクションかなって思うけど」「…………」「ああでも、どうか…

  • 君が一番かわいい(ディルック)

     窓際に座り込むは、燦々とした陽光を浴びながら、同じ言葉を何度も繰り返している。 幼子に言葉を教えているかのような、はっきりとした発音のそれ。ゆっくりと紡がれるその文字列はこの場に似つかわしくないような気もするが、ディルックの興味を引くのは…

  • 気が向いたらな(シャルロット)

     ねえ、さんってウィンクできる? 一回でいいから、ちょっと試してみてくれない? ――ただのありふれた思いつきが、今この場に横たわっている妙な沈黙の発端だった。  その無邪気な提案に応えたのが間違いだったのかもしれない。彼女は――シャルロット…

  • 言えるわけがないんだ(コレイ)

    「じゃあ師匠、先生! あたし、そろそろ行ってくる!」 太陽のような笑顔を振りまきながら、コレイは意気揚々とパトロールに出かけていった。近頃はこうして一人で遠くまで行くことも増えて、俺たちとしては嬉しい限りだ。「――先輩、本当に嬉しいと思って…

  • 決意のかたち(ディルック)

     あの子を連れ帰ったことにたいして、はっきりとした後悔を抱いたことはほとんどない。強いて言うなら、ほんの少しの罪悪感が見え隠れしているくらいだろうか。 半ば無理やり手を引いて、新たな家と、あの子のための部屋を与えた。本人の気持ちなんて考えず…

  • 浮かれちゃってさ(リネ)

    「リネ、最近少し変わったわ」 穏やかなティータイムを裂くように、リネットがぽつりとつぶやいた。 彼女の唇から離れたカップがソーサーに座る際、普段ならばなかなか耳にしないような不格好な音を立てた。その具合は少しばかり乱れたような、彼女の心境を…

  • 黒猫(タルタリヤ現パロ)

    「〜、こっちおいで。髪の毛乾かしたげるよ」「ん」「よしよし。の髪の毛は真っ黒のつやつやできれいだねえ、育ちのいい黒猫みたいだ」「…………」「…………」「……タルタリヤってさ、髪の毛乾かすのうまいよね」「ほんと? ありがと」「…………」「………

ゴッドイーター

  • 欲張りだからさ(シエル)

    「――と、いうわけで。本日が兄さんの誕生日ということは、双子の弟であるこの俺も同じく誕生日なわけなんだけど」「――! そ、それは大変です。今すぐお祝いしないと」「そう。俺は人並みに欲張りだから、誕生日は祝われたい。そして、せっかくの今日なん…

  • フラグは折るもの!(アリサ)

    「なーアリサ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」「どうしました?」「アリサさあ、今日が何日かって覚えてる?」「今日は……ええと、九月十二日――って、え、まって、嘘でしょ!? なんで出撃一分前にこんな話振るんですか!?」「あははっ、ごめんご…

  • 資格(タツミ)

     私がフェンリル極東支部に迎え入れられたのは、偏食因子への適性と、両親から託された医学知識に加えて、彼らの形見である数冊の医学書を認められたからだった。 しかし、神機使いとしての適性こそあったものの、すぐには適合する神機が見つからず、しばら…

ファイアーエムブレム

  • 夜もすがら(クロード)

     べつに、自分たちの相性が悪いとか、仲が悪いだなんてこと、今まで思ったことはない。……否、もしかするとほんの少しよぎったことはあるかもしれないが、それを自分たちの関係のすべてとしたつもりはいっさいなかった、はずである。 しかし、最近たまに思…

  • あなたに言われたくはないわ(クロード)

    「お前なあ……もう少し、自分の体を大切にできないのか?」 左腕に巻かれた包帯を見ながら、クロードは深いため息をつく。どうせ触れさせてもらえないのだから手を伸ばすことは諦めたが、当の本人は相も変わらず、いっさい表情を動かさない。「あなたに言わ…

  • バレバレなんだよねー(クロード)

     クロードくんとちゃんは、ちょくちょく口喧嘩をしている。喧嘩といってもそこまで険悪なものじゃなくて、ちょっとした意見のぶつかり合いってくらいなんだけど。 あたしとしては、どっちの言い分もわかるし、わかんないとこもあるなーって感じ。あそこの二…

  • 焦げ茶色をした面影(クロード)

     パルミラはあまり雨が降らない。ゆえに、故郷ではこうして空が泣くたびに天の恵みに感謝していた。 しかし、山ひとつ隔てただけの隣国のくせに、レスターはパルミラよりいくらも気候が安定している。乾燥にあえぐ地域もあるにはあるようだが、パルミラの人…

崩壊:スターレイル

  • 重りという名の(丹恒)

     さんの部屋は、いつも非常に片づいている。……否、「片づいている」というより「物が少ない」と言ったほうが正しいかもしれない。 あの人は――俺がこの列車に加わってからの短い期間の話だが――私物という私物をあまり持っておらず、本当に必要最低限の…

ポケットモンスター

  • メシマズ少年Sの未来や如何に(ナタネ)

    「……くん、そういえば料理とかしたことないんだっけ」 テーブルの上に鎮座する奇っ怪な皿を見ながら、ナタネは口元を押さえていた。そこにはまるでドガースでも乗っけたかのような、どくガスじみた煙が異様な雰囲気で立ち昇っている。「う……す、すみませ…

  • じゅうでん完了(ナタネ)

     時おり、くんはあたしのことを思いっきり抱きしめてくる。タイミングとしては、やはり家を出る前の朝のことが多い。 そのときばかりはいつものふにゃふにゃ笑顔も鳴りを潜め、ひどく真剣な顔であたしの前に立ちふさがるのだ。普段とのギャップに加えて身長…

  • クラッカー(ナタネ)

    「――よしっ。くん、お誕生日おめでとう!」 ぱん! とひかえめなクラッカーが鳴ったのは、日付変更線をまたいだ直後のことだった。 正直、期待していたところはある。ナタネさんなら今年もお祝いしてくれるだろうと、人知れずずっとそわそわしていた。と…

  • てんしのキッス(ナタネ)

     ナタネさんに恋をしていたとき、僕の人生は彼女を中心にまわっていた。 否、ナタネさんが人生の中心なのは今も変わっていないし、恋は毎日だってしている。ただ、今の僕はあの頃よりも少しだけ落ちついて、ほんの少し大人になっているというだけだ。 とに…

  • かなわないなあ(マサル)

     わたしは、今の今までたったの一度もマサルに勝てたことがない。ポケモンバトルはもちろん、日常生活とか、そういう面でも。 だから、落ちこぼれだったかつてのわたしは、ジムチャレンジの道中でマサルと出くわしてしまうのが毎回怖くて仕方なかった。同じ…

  • そんなことないもん(セキ)

     マグマラシとの散歩中、夫婦の痴話喧嘩を耳にしてしまった。 彼らはコンゴウ団のなかでも比較的優しくて、すれ違うと毎回挨拶してくれる人たちだ。愛想も良くて夫婦仲も良さそうだったから、そんな二人でもこんなふうに喧嘩するんだと少しびっくりした。 …

  • あたしの還る場所(セキ)

    「ねえ、セキさんって生まれ変わりとかそういうの、信じる?」 ――人間は死んだらどうなるのだろう。バクフーンは迷える魂をあるべき場所へ還すというが、還ったあとにはどうなるのか? そんな何気ない疑問をテルに打ち明けると、彼は事もなげに「また新し…

  • おとなしい性格?(セキ)

     ヨネを除く周りの人間たちは、皆のことを元気でやかましい性格なのだと思っている。 もちろん、セキだって元はそうだった。笑顔の裏に暗がりを隠してはいれど、彼の見ているはいつも健やかに笑っていて、ヒノアラシたちと元気に野山を駆け回っていた。ちょ…

ルーンファクトリー

公式で片想いフラグのあるキャラとの恋愛描写あり

  • ニンジン、ジャガイモ、悩みの種(ガジ)

    「ねえ、ガジさん。人間って、よく物の例えにお料理を使う気がするんだけど……あれって、なんで?」 晩ごはんの材料を買いに雑貨屋へと足を運んだとき、店主のヘーゼルと旅行者が話し込んでいるのを聞いたのだ。小説家だと言う彼はこの町を題材にした物語を…

  • 私が奪ったんだ(ガジ)

     あの人が、私ではない誰かに――エリザさんに恋してたことを、誰よりもよく知っている。 エリザさんにはいっさい伝わってなかったみたいだけど、あの人の熱の入れようといったら、きっとシアレンス中の誰もが知っていることだったと思う。もしくは、あまり…

  • とっておきのプレゼントに向けて(ガジ)

    「。よかったら、今日は少し鍛冶に挑戦してみないカ?」「私が!? で、でも私、こういうのやったことないし……」「だからこそ今やってみるんダ。一人で挑戦するより、オレと一緒にやるほうが安心だと思わないカ?」「それは、確かに……」「だろウ? ほら…