決意のかたち(ディルック)

 あの子を連れ帰ったことにたいして、はっきりとした後悔を抱いたことはほとんどない。強いて言うなら、ほんの少しの罪悪感が見え隠れしているくらいだろうか。
 半ば無理やり手を引いて、新たな家と、あの子のための部屋を与えた。本人の気持ちなんて考えずに居場所を押しつけてしまった僕は、もしかすると見る人が見ればただの極悪人なのかもしれない。
 しかし、この件においては他人の目など気にするだけ無駄だ。この場に横たわっているのは僕とあの子の事情だけで、そこに割って入ってこれる第三者などたかが知れているし、そもそも彼らが僕の判断に難癖をつけるわけがない。僕は彼らにそれだけの信を置いているし、彼らだって同じだろう。
 何より――誰にどんな目で見られてもあの子を守り抜いてみせるという、ある種の使命感じみた覚悟が、あの日の僕にはあったのだから。

貴方は×××で『覚悟はあるか』をお題にして140文字SSを書いてください。

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2024/08/16