わかってるよ、全部ね(タルタリヤ)

 わたしは、自分のことが好きじゃない。生きているだけで苦しくて痛くて、毎日のように消えてなくなってしまいたいと思っている。
 タルタリヤに新しい名前をもらって、新たな自分に生まれ変わった今であっても、その気持ちは未だなくなってくれなくて、わたしの胸の奥にずっとこびりついたまま。わたしが認められるのは自分の名前と、タルタリヤに鍛えてもらったがゆえの強さくらいかもしれない。
 時おり、自己否定の波に飲まれて、涙がとまらなくなる夜がある。独りぼっちで闇に溶けてしまうような恐怖と安心感で、二度と目が覚めなくなるのではないかと、体中が震える時間――わたしはいつも、その闇に身を預けようとする。
 けれど、わたしは未だ消えていない。理由としては簡単で、ただひとつ、タルタリヤが傍にいてくれるからだ。
 わたしが消えたくなるたびに、タルタリヤはその優しい手を差し伸べてくれる。わたしに居場所、理由、意味を与えて、「明日」を迎えるだけの活力を分け与えてくれる。
 彼自身は別に、そこまで深く考えてはいないのだろうけれど――その何気ない一挙一動に、わたしはいつも救われていた。

貴方は×××で『それ以上は許さない』をお題にして140文字SSを書いてください。

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2024/08/31