なまえ①→現従者
なまえ②→元従者
てのひらに / 完結済
USUM軸、グラジオがいなくなったあとの現従者
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短編 / 現従者
グラジオ / SM
- こんなわたしの想いなど
「ぼっちゃまとシルヴァディ、本当に仲良くなられましたね」 かつては噛みつかれ引っかかれ、時に取っ組み合いのケンカすらしていた2人。血みどろになってもシルヴァディ――タイプ:ヌルのことを見放すことなく歩み寄ろうとしていたぼっちゃまの愛がようや…
- 狡い女
エーテルパラダイス2階、ポケモン保護区の片隅にて。各地をまわる財団員により保護されて療養中のポケモンたちの活動音が響くなか、グラジオさまは傷ついたポケモンを慈しむように見つめている。その痛わしげな目つきはどこかルザミーネさまを彷彿とさせる…
- わたしだけ
背中で語る男というのはえてして魅力的に見えるものだけれど、グラジオさまはあの幼くも小さな肩にどれだけの重圧を背負ってらっしゃるのだろう。 療養中のルザミーネさまに代わり、「代理」という形ではあれど決して少人数ではないエーテル財団の代表とい…
- いつかの話
「アローラには、カントーやジョウトの文化がうまく溶け込んでいますよね」 わたしは今、財団の職務を全うするため、グラジオさまについてマリエシティへ出向いている。 少し時間があいたので2人でぶらりと街をぶらついてみたのだけれど、お店の軒先に並ぶ…
- お気づきですか、デートです
くい、と背後から手を引かれて立ち止まる。考えるより先に振り向けばそこにいたのは案の定グラジオさまで、どこか居づらそうに視線をさ迷わせながら口を開いては閉じていた。どうしましたか、そう訊ねるとやはり口をもごもごと動かして小さな声でお返事をく…
- おはよう、だいすき
「グラジオさま、グラジオさま。起きてください、もう朝ですよ」 エーテルパラダイス奥のお屋敷、グラジオさまの自室にて。まっしろなベッドにかかるまっくろなお布団に手を添えながら、わたしはグラジオさまに呼びかけている。 時刻は午前7時12分、オニ…
- アイ
今日のグラジオさまはなんとなく挙動不審だ。 わたしの顔をちらちらと見たり、そばに寄っては口を開きかけ、そして閉じたり、後ろ手に何かを持っているような素振りを見せたり、とにかくいつもと違うお姿を見せてくださる。 わたしとしてはただ「かわいら…
- たとえこの手が折れようと
恭しく頭を下げる姿はどこか機械的でもあった。どことなく虚ろで人形のような、人らしい感情や営みの感じられない「器」のようなその姿。 よろしくお願いいたします、極力失礼はないよう努めますので。抑揚を限界まで削ぎ落としたような語り口であるが、少…
- いいだろうか
※数年後if---「キスをしても、いいだろうか」 ことん、と。 まるで物を落とすかのような、不意にかつ唐突に言葉が吐かれた。言葉の主はグラジオで、呟くようなそれは確かに目の前にいる女性――へと向けられている。 グラジオの顔色は変わらなかった…
グラジオ / USUM
- 苦手なのです
「わたし、マンタインサーフって苦手なんですよね」 唐突にそうつぶやいたに、グラジオは目を見開いた。心底驚いたような表情は年相応に幼げで、けれどもその姿には愛おしさよりも疑問のほうが大きい。どうしたのですか、そう尋ねると、ハッとしつつも居直し…
グラジオ / アニメ
- わたしの秘密とひとりごと
かしゅ、かしゅ、かしゅ。お屋敷の広々としたお庭にホウキを走らせながら、わたしはぼんやりと物思いに耽っていた。 仕事の合間に小さくため息をついたおり、ふと何かの影がかかってわたしの視界が暗くなる。顔をあければそこにいたのは馴染みのバタフリー…
グラジオ / ポケマス
- あなたとならばどこまでも
人工島パシオでの生活にも慣れてきた今日この頃、グラジオさまはようやっと安らいだ様子を見せてくださるようになった。 このパシオでのみ普及している独自のバトルスタイルに、数多の地方からやってきた強者との息もつかせぬバトルの日々。刺激的な毎日は…
短編 / 元従者
リーリエ / USUM
- たそがれティータイム
「お嬢さま、少し休憩なさってはいかがですか?」 ポットに並々そそいだロズレイティーをトレーに乗せ、は机に向かい熱中しているリーリエのそばへ歩み寄った。 が話しかけるその瞬間までひたすら眉間にしわを寄せていたリーリエだが、彼の声とロズレイティ…
- おしゃれ/気取り屋/行動的
「さん、さんっ! お誕生日おめでとうございます!」 それは、ちょうど休憩に入ってエーテルパラダイス内を歩いていた、昼下がりのことだった。 綻ぶような笑顔とともにやってきたリーリエは、にとってだいはくはつにも等しい言葉を優しく投げてくる。にこ…
リーリエ / アニメ
- わたくし、絶対挫けません!
――ここの模様が、お花みたいで可愛いから―― あの言葉に嘘はなかった。実際リーリエは植物のたぐいが大好きだったし、ラナキラマウンテンよろしく雪のようにまっしろなタマゴに、言いようのない魅力を感じていたのは紛うことなき事実である。 ただ、惹…
リーリエ / ポケマス
- どうか背中を向けないで
「むむむ……」 背中に突き刺さる視線を感じるのは、どうやら気のせいではないらしい。それなりに人通りのある自然公園の片隅で、は極力顔に出さないようにしながら、しかし、みだりに振り払うこともできないままでいる。 じっとりと刺さるそれは嫌な感じこ…