Hoyoverse

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原神

Admire

ディルック、ウェンティほか / モンド城の花屋の女の子
 

Adore

タルタリヤ、蛍ほか / ファデュイに染まることを決意した少女
 

一片冰心

重雲 / 妖魔を引き寄せやすい体質の方士


璃月を愛している凡人

なまえ①…今の名前
なまえ②…昔の名前

ヨォーヨ

  • 琉璃百合が揺れる

    「ヨォーヨは……今、外してるのか?」 こつん、と軽い足音と共に現れた人影を一瞥するのはピンだった。見慣れた居姿に何を思ったのか、彼女は恭しい客人相手に鼻を鳴らして、珍しく無愛想に答える。「なんじゃ、わざとらしい言い方をしおって。わざわざあの…

  • 隠し味は気遣い

    「――もうっ、お兄さん! こんなところで寝てちゃダメだよ」 頭上から降りかかってきた声に目を開ける。刺すような日光に瞬きを繰り返しながら、人の形にくり抜かれたシルエットをじっと見つめていた――その影の主が眉をつり上がらせているのに気づいたの…


嘉明
  • しあわせの残り香

     璃月には無数の人々が行き交っている。 この国で生まれ育った者、他国から商売にやってきた者、祖国を追い出された者、のんびりと旅行に勤しむ者……それらすべてがにとっては等しく愛しい存在で、彼はこの地に足を踏み入れるすべての者たちを愛していた。…


翹英荘の道場の娘

嘉明

  • 眠りこけてる場合じゃない

     ――嘉明のバカ! だいっきらい……! 見知った少女が泣きながら叫んでいる。 痛ましいその様子は見覚えのありすぎる光景で、もはや懐かしさすら感じるくらいだ。人としての良心のみならず郷愁の念まで刺激するそれは、心地よく浸っていたはずの睡眠をぴ…

  • いつだって一番そばに

     家を継ぐ者として、涙腺の緩さは大敵だと思っていた。  自分は幼い頃からひどく泣き虫で、それこそ少し驚かされたくらいで簡単に涙が出てしまうような子供だった。 特段気が弱いわけではないのだが、ちょっとした刺激ですぐに涙がこぼれてしまう。嬉しい…

  • どうしていつも私から

     ――ウェンツァイはずるい! 喉から出かかった本音を、既のところで飲み込んだ。 今、の目の前にはケラケラと楽しそうに笑う嘉明や、そんな彼にじゃれついて遊んでいるウェンツァイの姿があった。二人が仲睦まじい関係であることは誰の目にも明らかであり…


人間嫌いの天狗、九条裟羅の双子の兄

九条裟羅一部近親愛要素あり

  • 高下駄の呼び声を聞く頃に

     高下駄の音が鳴り響く頃、山林はまるで耳を澄ますかのように、つかの間の静寂を取り戻す。 時刻は深夜零時をまわった頃合いだ。懐かしい客人のすがたを目にして、木々たちも心なしか喜んでいるふうに見える。 しかし、彼女の訪れに沸き立つ野山とは打って…


ガンダルヴァー村のレンジャードクター

コレイ

  • ガンダルヴァー村の隠れた問題児

     先輩のことは尊敬している。ガンダルヴァー村でレンジャードクターとして活動する彼は、かつて共にアムリタで机を並べた同志であり、信頼している先輩の一人だ。 優秀な人間だった彼はそのまま医学者として教令院に残るのかと思われたが、どうやら様々な確…

  • ガンダルヴァー村の小さな一大事

     ――コレイがこっちを見てくれない。 何か変なことをしでかした覚えはないのだが、やけによそよそしいというか、挙動不審というか……俺が近寄るだけで飛び上がるし、話しかけてもいつも以上に取り乱して会話もままならないし、すぐに顔を真っ赤にしてどこ…

  • スメールシティのささやかな大事件

     ――今日は本当についてない日だ。 否、途中まではいつもどおり、平々凡々な一日だった。いつもどおり起きて、いつもどおりアビディアの森をパトロールして、いつもどおり魔鱗病や病床に伏す人々を診る。老若男女の苦しみをできるだけ取り除き、子供たちの…


ファデュイ・岩壁の従者

リネ

  • 月明の逢瀬

     それはありふれた夜のこと。誰にも悟られないように、リネは極力気配を消してゆっくりと館の中を歩く。 ただ足音を消して、人の視線をくぐりながら進むだけ――このような小細工などリネットにはお見通しなのだろうが、同じように彼女が厚意で見逃してくれ…

  • そこに私は、いないけど

    「今年の『お父様』のお誕生日は、いったい何をしようかしら」 じっくりと、紅茶を片手に考え込むような素振りでリネットがつぶやく。その内容は他でもない、来月に迫った「お父様」のお誕生日をどんなふうにお祝いするか、という話だ。 どうやらこれは壁炉…


リネット
  • 夢見が悪いわ

    「――今ので五回目のため息。お兄ちゃん、さてはのこと考えてるのね」 不意に投げかけられたリネットの言葉。予想外のそれにリネは大げさに肩を跳ねさせ、あまつさえその場ですっ転んでしまいそうになった。 ばくばくと激しく動く心臓を押さえながら、背後…


フレミネ
  • 氷の内側から

    「おや……早かったね、フレミネ。今回は一人で帰ってきたんだ」「こそ、珍しいね。こんなところで掃除なんて……」「あはは、そうかい? リネくんとリネットちゃんはまだ帰ってないし、とくに任務もないから、少しはこの館にご奉仕させてもらおうかと思って…


シャルロット専属ボディガード

シャルロット

  • 君のための宝物

    「受け取れよ」 ぽん、とやさしく投げ渡されたそれを、両手で丁重に受け取った。 クラフト素材の紙袋はかさりとした小気味良い音を立て、シャルロットのちいさな手のひらのうえで誇らしげに胸を張っている。紙袋はリボンの形をしたモノクロのシールで可愛ら…

  • 合図

     こん、ここ、こん、こん。独特のリズムで叩かれた窓へ、反射的に飛びついた。薄いガラス板の向こうには見慣れた手袋が覗いていて、張りつめていた精神が一気に緩むのを感じる。「彼」が訪れてくれた安心感により、ついつい気が抜けてしまったのだろう――シ…

崩壊:スターレイル

星穹列車のオカン

丹恒

  • 怒らせないほうがいい?

     個性的なメンバーが集う星穹列車には、いくつかの「恒例行事」がある。たとえば、初めての寝坊をもちもちのパムに咎められるだとか、姫子のコーヒーで撃沈するだとか、色々。 そのなかのひとつが「の血抜きに遭遇する」である。星穹列車において雑務や厨房…

  • 頬に残るはあどけなさ

     見た目よりも柔らかな癖毛を撫でてやると、うっすらと閉じられたまぶたがほんの一瞬だけ震える。 にわかな刺激に小さな身じろぎこそするものの、その眠りが中断されることはなく――丹恒は再び深い眠りに落ちていったようで、やがて穏やかな寝息をたてはじ…

  • そこには波のひとつもなく

     ――夢を見ている。あたしはゆらゆらと揺れる世界でたゆたいながら、ひどく心地よい波に身を任せていた。 それはきっと、いうなれば羊水のように優しく全身を包み込んで、すべての苦しみからこの身を守ってくれているのだろう。 苦しみもなければ喜びもな…

  • 今は受け止めるくらいしか

    「おかえり」を伝えるや否や抱きついてきた丹恒くんは、それきりずっといっさい動かず、あたしにひっつきっぱなしだった。声をかけても背中を撫でても反応はなく、そのたくましい腕がほんの少し震えていることのみが、ダイレクトに伝わってくる。 いったいど…


大切に育てられたエヴィキン人

三度目の正直 / アベンチュリン / 完結済?

  • バラと蜂蜜

     バラ色の絨毯を踏みしめながら歩く屋敷内は、噂に違わぬ品性を保った造りをしていた。これだけの資産があれば大抵の人間は華美なインテリアをここぞとばかりに飾りつけるものだが、どうやらこの屋敷の主はその法則に当てはまらないらしい―― 彼がスターピ…

  • 僕はそうでもないけどね

     権力者にしてはやけにこじんまりとしたこの屋敷の主は、実際のところ彼――バールではなく、娘のであるらしい。 この家は彼女のために用意した別邸であるのだそう。道理でやけにシンプルな造りをしていたわけだ――そう納得する傍ら、アベンチュリンの瞳に…

  • 今すぐにでもこの首を

     正直なところ、彼女には二度と会いたくないと思っていた。 決して嫌いなわけではない。ただ、彼女の近くにいると様々なものがぐらつく気配がするのだ。無二に等しい同族はアベンチュリンに苦痛ばかりを連れてきて、やがてそれは苛立ち――否、やるせなさと…

  • 三度目の正直

    「犠牲」を視野に入れた頃から、ずっと脳裏に染みついて離れなかったものがある。数多あるそのなかのひとつこそが、他でもないの存在だった。 置いていかれてしまった自分にも、置いていく存在ができてしまった。置いていかれる者の苦しみを、他でもない自分…


アベンチュリン
  • 1システム時間だって待てない

     戦略投資部の職務が一段落すると、アベンチュリンは決まってとある人間に連絡をとる。メッセージの内容はいつもだいたい同じもので、毎度のように「そろそろ会いに行くよ」という一文が付け加えられていた。 メッセージを送るとき、アベンチュリンのポーカ…