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終わりの音がするような(ガジ)

※公式で片想いフラグのあるキャラとの恋愛描写あり---「なあグリシナ、少し散歩にでも行かないカ?」 言うやいなや、ガジさんは私の手を引っぱって歩き出した。曖昧に笑う様子はなんとなく不安を掻き立てるようで、まるで追い立てられるように彼の背中を…

もお!(ガジ)

※公式で片想いフラグのあるキャラとの恋愛描写---「グリシナの髪は綺麗だよナ。指がするする通って気持ちが良イ」 私の髪をひと束手に取りながら、出し抜けにそんなことを言うガジさん。ひどく優しげに細められた隻眼は冗談を言っているふうでもなく、私…

乾酪は嫌いよ(ディミトリ)近親愛

「力加減こそいささか難しいが、片手で食べられるのはいいな。行儀は悪いが公務の傍らで食事を済ませられそうだ」「あなたならそう言うと思っていたわ。調理も麺包を切って野菜や肉、あとは……そうね、乾酪を挟む人もいるのかしら。とにかくそのくらいだから…

「   」(クロード)

 目を開くと、そこには無機質な天井が視界いっぱいに広がっている。 見慣れたはずのそれが私の心に安堵や康寧を与えてくれることはなく、むしろ全身の気だるさと共に、このうえない嫌悪感や不快感をもたらしてくれた。 ――私はこの家が嫌いだ。気が休まる…

それってほんとは何角形?(ガジ)

「はあ……エリザさん、今日も可愛いナ……」 うっとりと、のぼせたように呟くガジさんは、ほんの数分前に去っていった彼女の背中の幻を、いまだに追いかけつづけている。 その夢中な様子を見れば、彼が本当に彼女を――エリザさんを強く思い慕っていること…

彼と、カレーと(ガジ)

※公式で片想いフラグのあるキャラとの恋愛描写--- 今日は、グリシナのカレーうどんが食べたいナ―― ひどく穏やかな声でそう言いながら、ガジさんはゆっくりとベッドに沈み、か細い寝息を立てはじめた。 ……自分が風邪を引いて倒れているということを…

とどのつまりは……(クロード)

「なあ、ウィノナ。これから、俺と一緒に授業を抜けないか?」「はあ……? どうして私がそんなことしなくちゃいけないのよ」「まあまあ、そう言うなって。たまにはいいだろ? 俺も一人で抜けるのはなんとなく気が引けてね。寂しいと言ってもいい」「なら普…

よい夢を(セキ)

 ふす、ふす。呼吸にともなって上下する頬が、プリンのようにふかふかしているように思えて仕方ない。 体はひどく細っこいのに、頬だけはこんなにもふっくらしているのだから不思議なものだ。これが子供というものなのかと、隣で寝入るヨヒラを見ながら、セ…

それが最後の笑顔だった(ローレンツ)

「なんか……呆気ない卒業式だったね」「今日までに事件がありすぎたからな。帝国の宣戦布告に先生の失踪――一年を通して波瀾だらけだったが、よもや最後の最後にかような爆弾が飛んでくるとは」「本当だよね~。――あーあ、とうとう家に帰るときが来ちゃっ…

君をおもえば(絵名)GL

「……絵名。これ、あげる」 出し抜けに差し出された花束には、溢れかえるほどの花が微笑っている。こぶりなそれは澄んだ青紫が印象的で、見ているだけで心が洗われるようだ。「えっ……なに、どうしたの? 花束なんて」「通りがかった花屋で一目惚れしたの…

これぞあなたによく似合う(クロード)

「金合歓?」 ウィノナの細腕に抱えられる、目いっぱいの花束。パルミラではめったに見ないふわふわの花は眩しいくらいの黄色をしていて、明るい色の葉っぱも手伝い、目の前の男を想起するに充分すぎるものだった。 ほんのりとした優しい香りも相まって、ウ…

知っているんだ(グリーン)

 あの人はひどく気取っていて、格好つけで、プライドが高くて――ほんの少しだけ、とっつきにくいところがある。わたしもトレーナーとして出会ったばかりの頃、ミリほどの苦手意識があったくらいだ。 グレンじまでナーバスになっているあの人を初めて見たと…