終わりの音がするような(ガジ)

公式で片想いフラグのあるキャラとの恋愛描写あり

「なあグリシナ、少し散歩にでも行かないカ?」
 言うやいなや、ガジさんは私の手を引っぱって歩き出した。曖昧に笑う様子はなんとなく不安を掻き立てるようで、まるで追い立てられるように彼の背中を追いかける。
 騒がしい足取りのままにガジ屋を飛び出した私たちがたどり着いたのは、意外にも羽ばたく花の丘だ。
 トイハーブをはじめとした花々の咲き誇るこの場所はひどく気持ちが良くて、私はさっきまでの焦燥感など忘れたかのごとく、すっかり心が洗われたような心地になる。
「ちょっと気分転換がしたくてナ」
 ガジさんは依然として私の手を離すことなく、小さな深呼吸を繰り返していた。私もそれに倣い、不安に溺れかかっていた心中を落ち着かせる。
 ――このまま、ガジさんと二人っきりでどこかへ行ってしまえたらいいのに。
 そんなふうに思ってしまうほど私は――否、私たちは、なぜだかこの頃の日々に不安を覚えてしまっているようだ。

 
貴方は×××で『愛の逃避行』をお題にして140文字SSを書いてください。
https://shindanmaker.com/375517