帳と私の内側にあるもの
「……俺と一緒に来たこと、後悔してるか?」 クロードの声は常よりも暗く、重苦しいものだった。しかし、彼が近づくと同時にドギツい酒の匂いがするおかげで、おそらく宴で飲みすぎて少々感傷的になっているだけなのだろうと推察できる。 悪酔いによるもの…
SS SS(FE/2) SS(FE/2/クロード) 文章
夜もすがら
べつに、自分たちの相性が悪いとか、仲が悪いだなんてこと、今まで思ったことはない。……否、もしかするとほんの少しよぎったことはあるかもしれないが、それを自分たちの関係のすべてとしたつもりはいっさいなかった、はずである。 しかし、最近たまに思…
SS SS(FE/2) SS(FE/2/クロード) 文章
あなたに言われたくはないわ
「お前なあ……もう少し、自分の体を大切にできないのか?」 左腕に巻かれた包帯を見ながら、クロードは深いため息をつく。どうせ触れさせてもらえないのだから手を伸ばすことは諦めたが、当の本人は相も変わらず、いっさい表情を動かさない。「あなたに言わ…
SS SS(FE/2) SS(FE/2/クロード) 文章
バレバレなんだよねー
クロードくんとちゃんは、ちょくちょく口喧嘩をしている。喧嘩といってもそこまで険悪なものじゃなくて、ちょっとした意見のぶつかり合いってくらいなんだけど。 あたしとしては、どっちの言い分もわかるし、わかんないとこもあるなーって感じ。あそこの二…
SS SS(FE/2) SS(FE/2/クロード) 文章
焦げ茶色をした面影
パルミラはあまり雨が降らない。ゆえに、故郷ではこうして空が泣くたびに天の恵みに感謝していた。 しかし、山ひとつ隔てただけの隣国のくせに、レスターはパルミラよりいくらも気候が安定している。乾燥にあえぐ地域もあるにはあるようだが、パルミラの人…
SS SS(FE/2) SS(FE/2/クロード) 文章