無くて七癖
「先生って、本を読んでるときに爪先をゆらゆらする癖があるよな」 コレイの勉強を見ている合間の、ちょっとした休憩時間のことだった。 次はどこを教えてやるかと、ティナリのつくった資料に目を通していたときだ。知らぬ間に俺の足元に目をやっていたらし…
原神 文章 短編(コレイ)
瞳の奥の真っ赤な悪魔
野蛮な人間のつもりはないが、コレイの笑顔を奪うような存在が現れたら積極的に払っていくと決めている。コレイには誰よりも幸せでいてほしいし、これから先の未来、不要な苦しみにあうことなく過ごしてほしいと願っている。 しかし、だからといって過干渉…
原神 文章 短編(コレイ)
恋をしている
――先生! 今度っ……あ、あ、あ、あたしと、デートしてくれないか? ――きょ、今日はもう少し、一緒にいていいかな……? ――あ、あたし! 実はずっと、先生のことが……!「〜〜〜〜っ、ダメだダメだっ、無理だ……! ……はあ、どうしてあたしっ…
原神 文章 短編(コレイ)
言えるわけがないんだ
「じゃあ師匠、先生! あたし、そろそろ行ってくる!」 太陽のような笑顔を振りまきながら、コレイは意気揚々とパトロールに出かけていった。近頃はこうして一人で遠くまで行くことも増えて、俺たちとしては嬉しい限りだ。「――先輩、本当に嬉しいと思って…
原神 文章 短編(コレイ)
スメールシティのささやかな大事件
――今日は本当についてない日だ。 否、途中まではいつもどおり、平々凡々な一日だった。いつもどおり起きて、いつもどおりアビディアの森をパトロールして、いつもどおり魔鱗病や病床に伏す人々を診る。老若男女の苦しみをできるだけ取り除き、子供たちの…
原神 文章 短編(コレイ)
ガンダルヴァー村の小さな一大事
――コレイがこっちを見てくれない。 何か変なことをしでかした覚えはないのだが、やけによそよそしいというか、挙動不審というか……俺が近寄るだけで飛び上がるし、話しかけてもいつも以上に取り乱して会話もままならないし、すぐに顔を真っ赤にしてどこ…
原神 文章 短編(コレイ)
ガンダルヴァー村の隠れた問題児
先輩のことは尊敬している。ガンダルヴァー村でレンジャードクターとして活動する彼は、かつて共にアムリタで机を並べた同志であり、信頼している先輩の一人だ。 優秀な人間だった彼はそのまま医学者として教令院に残るのかと思われたが、どうやら様々な確…
原神 文章 短編(コレイ)