短編(コレイ)

スメールシティのささやかな大事件

 ――今日は本当についてない日だ。 否、途中まではいつもどおり、平々凡々な一日だった。いつもどおり起きて、いつもどおりアビディアの森をパトロールして、いつもどおり魔鱗病や病床に伏す人々を診る。老若男女の苦しみをできるだけ取り除き、子供たちの…

ガンダルヴァー村の小さな一大事

 ――コレイがこっちを見てくれない。 何か変なことをしでかした覚えはないのだが、やけによそよそしいというか、挙動不審というか……俺が近寄るだけで飛び上がるし、話しかけてもいつも以上に取り乱して会話もままならないし、すぐに顔を真っ赤にしてどこ…

ガンダルヴァー村の隠れた問題児

 先輩のことは尊敬している。ガンダルヴァー村でレンジャードクターとして活動する彼は、かつて共にアムリタで机を並べた同志であり、信頼している先輩の一人だ。 優秀な人間だった彼はそのまま医学者として教令院に残るのかと思われたが、どうやら様々な確…