04

「――ねえダグ、まだ起きてる?」
「ん……どうしタ? こんな夜遅ク」
「えっと……」
「?」
「ちょっとね、顔が見たくなっちゃったの」
「えっ……お、おまエ――」
「あと話もしたくて。いい?」
「お、おう……話してみろヨ」
「…………」
「…………」
「…………やっぱりやめた」
「はア!?」
「ふふ、うそうそ。……あのね、ダグがセルフィアに来てくれてよかったなーって改めて考えてたのよ」
「オレガ?」
「ええ。その……ほら、あたしって、今はまあまあ元気だけどすぐに体調崩しちゃうでしょ? おばあさまもずっと体を悪くしていたし、弱々しい女二人の生活って色々と不便なことも多くて。もちろん町のみんなは助けてくれるけど、それでも、でしょ」
「まあ……そうだろうナ」
「うん。でもね、ダグが来てくれて変わったの。おばあさまもよく笑うようになったし、力仕事はあなたが全部やってくれるし、何より――」
「何よリ?」
「あなたのおかげで明るくなった。あなたが初めて笑ってくれたときも、誕生日を教えてくれたときも、好きなものの話をしてくれたときも、あたしたち本当に喜んだんだから」
「――――」
「ねえ、ダグ」
「うン?」
「大好きよ。一緒にいてくれて……あたしたちと、家族になってくれてありがとう」
「……! そんなの、オレのセリフだっつーノ」
「ふふ! ……ドアの前で話しこんじゃってごめんなさい。おやすみ、また明日ね」
「おウ。ぐっすり眠れよ、夜ふかしは体に悪いんだかラ」
「うん」
 

ダグがベッドに寝転がってたということでひとつ
20210430