恵まぬ血の雨(クロード)

恥を忍んで訊いて正解だと思ったのは、痛みに喘ぐウィノナが少しばかり安らいだような顔を見せたときだった。なあ、ナデル……その、月のものに苦しんでる女はどうしてやったら喜ぶんだ――目をあわせられないままそう訊ね、山の向こうまで響かんばかりの声をあげて笑うナデルに、色々と知恵を授けられた。本で読むより生きた知識は確かにウィノナを癒やしたようで、昨日までにはなかったような安らかな寝息が顎の下から聞こえてくる。心強い味方がいてくれてよかったとナデルへの感謝の思いを述べつつ、微かに体温の下がった体を抱きしめながら目を閉じた。