野良犬マニュアル
――タルタリヤのばか! きらい! あっちいって!! かわいいかわいいと遊んでいたら、とうとう怒らせてしまったらしい。否、彼女が俺にたいして本気で怒ることなんてそうそうないし、これも結局は怒ったふり、ただのポーズだと思うけど。 とはいえ、ご…
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俺が育てた※ちょっと下品
このところ、タルタリヤの目が訝しげに眇められるときがある。はじめこそ気にしすぎかなと思っていたけれど、ここまで続くのを見るにどうやらただの勘違いというわけではなさそうだ。「ねえ、なんか最近変じゃない? ……わたし、何かした?」 わたしがそ…
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何も言わずに寝てしまえ
「……ま、待ってくれよ、? そういうのはちょっと、さすがの俺も困るんだけど――」 うろうろと視線を彷徨わせるタルタリヤの、真っ青な瞳を見つめた。返事など知らぬとばかりの振る舞いは、いつも向こうがやってくることだ。 彼は戸惑っているのだろう。…
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皿の上の強敵
「……はい、。あーんして」「んむ……」「ダメだよ、好き嫌いなんてしちゃ」「…………」「一人前の戦士になるんだろう? まったく、食べ物の好き嫌いも克服できないなんて、君の覚悟はその程度のものだったのかな」「っ……その程度って言うけどさ、わたし…
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わかんなかった?
「ほんと、は俺のこと大好きでかわいいよね」 ほんの少し締まりのない顔で、タルタリヤはそう言ってのける。わたしのことを思いっきり抱き込むその両頬には、いつも「満足」の二文字が書かれているようだった。 わたしとしては、納得いかない。だってむしろ…
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言うこと聞いてよ
ひとりで寝るのは好きじゃない。だから、タルタリヤが毎晩のようにわたしを抱きしめながら眠ってくれるのが、本当はすごく嬉しくて、安心して、すき。 でも、わたしはタルタリヤに「すき」と伝えるのがひどく怖い。あの日の記憶が脳裏にこびりついているの…
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わかってるよ、全部ね
わたしは、自分のことが好きじゃない。生きているだけで苦しくて痛くて、毎日のように消えてなくなってしまいたいと思っている。 タルタリヤに新しい名前をもらって、新たな自分に生まれ変わった今であっても、その気持ちは未だなくなってくれなくて、わた…
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こんなときに?
「君ってさ、ほんとに可愛い顔してるよね」「はあ? なにそれ、煽り?」「とんでもない。本心さ」「……じゃあ、お世辞?」「本心だって言っただろ。まあ、俺が見てるのは美醜というより表情やリアクションかなって思うけど」「…………」「ああでも、どうか…
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