軌跡を辿る
言っておきたいことがあった。最後の最後になるけれど、胸に燻っているこの気持ちだけはちゃんと伝えておきたかった。 やらずできずの後悔は、もういっさいやめにしたかったのだ。 たとえ押しつけがましい結果になったとしても、ある種のケジメとして、私…
ファイアーエムブレム 君との軌跡(戦争編) 細氷に光る懐刀
あどけなく、無邪気な
――今度こそたくさん一緒にいたい。あの頃より自由になった僕で、君のとなりにいさせてほしいんだ。 まるで、魔道の爆発を目の当たりにしたときのように。アッシュのその言葉が耳の奥にこびりついて、いっさい離れないでいる。 嬉しかった、のだと思う。…
ファイアーエムブレム 君との軌跡(戦争編) 細氷に光る懐刀
二人で夜に沈みたい
鼓膜に滑り込んでくるのは、そよ風で木の葉が擦れる音と和やかな梟の歌声くらい。ひどく静かで穏やかな夜が、あたりをすっかり染めている。「……なんだか、今日はいつもと逆だね。普段は僕が君を呼び止めることが多かったから」「そうね……確かに私、ずっ…
ファイアーエムブレム 君との軌跡(戦争編) 細氷に光る懐刀
必ず誰かが手をとって
――まえ、もか。お前も、否、お前こそ! 嗚呼、そうして、再び俺の前に現れるのか……ッ! 耳の奥に木霊する怒声と呼応するかのごとく、右手がびりびりと痺れ、震える。数時間前、軽くではあるが彼に――かの剛力を持つディミトリに、すげなく払われたせ…
ファイアーエムブレム 君との軌跡(戦争編) 細氷に光る懐刀