(――あ。このネクタイ、リネくんに似合うな)
フォンテーヌの街角を歩いていると、様々なものが目に入る。美味しそうなスイーツ、可愛らしいアクセサリーに、興味深いマシナリー……そのどれもが私の目を引いて、ついつい足を止めてしまう。
そして、きらびやかな店先で視線を遊ばせていると、すぐに「彼」のことが脳裏をよぎるのだ。わたしにとっての初恋で、誰よりも特別だと思ってしまっている、あの少年のことを。
従者の「私」に雑念は存在しない。けれど、彼のことを愛してしまった「わたし」は、事あるごとにあの背中と優しい笑顔を思い出して、彼のためになることばかりを考えてしまう。
禁断の「特別」を抱えてしまっているわたしの恋のかけらは、どうやらそこかしこに転がっているらしい。
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貴方は×××で『それが恋とも知らないで』をお題にして140文字SSを書いてください。
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2024/09/03