「リネ、最近少し変わったわ」
穏やかなティータイムを裂くように、リネットがぽつりとつぶやいた。
彼女の唇から離れたカップがソーサーに座る際、普段ならばなかなか耳にしないような不格好な音を立てた。その具合は少しばかり乱れたような、彼女の心境を表しているようでもある。
「変わったって……もしかして、あのこと?」
「そう」
つい、とリネットの視線がリネのほうへ移る。壁にもたれかかる彼はイネスと談笑に励んでいて、その瞳は警戒心を解いているのか、はたまた気が緩んでいるのか――なんとなく、とろけているようにも見えた。
他人であれば感じ取れないような些細な変化を、双子の妹であるリネットは敏感に感知しているらしい。もちろん、彼らにとって大切な弟であるフレミネも。
「リネったら、あんなふうに浮かれちゃって……」
ぷく、と膨れるリネットの頬は丸い。その膨らみのなかには紆余曲折を乗り越えた彼らを祝福する気持ちの裏に、ほんの少しの嫉妬心が隠されているようにも見えた。
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貴方は×××で『無自覚バカップル』をお題にして140文字SSを書いてください。
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あんまりお題関係ないかもしれません
2024/08/15