反省してる?(クロード)

「だから言ったでしょう、根を詰めすぎるなって。日頃から口を酸っぱくしていた理由、これで理解してもらえたかしら?」
「すまん……」
 ぐうの音も出ない、とはまさにこれ。寝台に沈み込んで渋い顔をするクロードは、頭上から降ってくるウィノナのお説教に少しも反論できなかった。彼女の言うことはすべてごもっとも、正論以外の何物でもなかったからだ。
「わかってくれたのなら、それが治りきるまでずっと大人しくしておくことね。公務はもちろんのこと、むしろ寝台から出るのも極力控えてもらうわ」
「それはさすがに――」
「暴飲暴食も厳禁。よろしくて?」
 美人は凄むと恐ろしい。士官学校にいた頃から実感していたことだったが、よもや今になってこんなにも強く突きつけられることになるとは――
 クロードは静かに目を閉じて、最愛の妻から発せられる優しくも痛烈なお言葉たちを子守唄にしようと試みるのだった。

 
あなたが×××で書く本日の140字SSのお題は『体調不良』です
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