無題(センリ)近親愛

血というものが憎かった。それが愛しくて嫌だった。この身に流れる半分があの人のものである事実、もう半分は違う女。それはひどく甘美であり、苦痛でもあり、2人をつなぐ証でもある。流れる赤が惜しくて嫌いだ。だからあたしはいつも恐れる。体に赤があることを、それはあの人の色であるから。