あれは運命の分かれ道(ディミトリ)近親愛

不思議な女だと思った。初めて青獅子の学級の教室に入ったとき、初めて彼女の隣に立ち、初めてその存在を知った。どこか陰りがあるような、けれど儚げと言うにはそぐわない、そんな彼女と、あの日に俺は出会ってしまった。目で追ってしまうのはなぜだろう。声をかけてしまうのはなぜだろう。単なる庇護欲で片づけるにはどこか違和感がある、この感情の出処はどこだ。