問答無用のダジャレイディ(P3/真田)
「小鳥……コトリ。――あ、小鳥が怒っとります……?」 彼女の口から紡がれるダジャレたちは、この冬時分には些かつらいものである。ペルソナの氷結弱点とはあまり関係ないものだろうが、どこか背筋が凍えたような心地を感じるのも事実。一言で言うなら、サ…
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寒いな、(P3/真田)
彼女は確か、俺たち兄妹とほぼ同時期に施設にやってきていたと思う。年が近いこともあってか話す機会はそれなりに多く、美紀も比較的懐いていた。「お人形のお姉ちゃん」という美紀の声が耳にこびりついているせいで、彼女の本当の名前を思い出せないのが心…
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はじまりはいつも(P3/真田)
「お前は、いつも1人なんだな」 その言葉の主がにやついた同性であったならば、いつものように無視して終わりだったと思う。 ようやっと寮生活というものに慣れ始めた頃だった。始めはどこで何をすればいいのかもわからず、実家ではさんの帰りが遅かった…
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初めての温度(逆転裁判/御剣)
私は、くんが泣いているところを一度しか見たことがない。 彼女の裁判が終わって、安堵から流した大粒の涙。仕事とはいえ、一度は彼女を犯人に仕立て上げようとした人間が思うことではないかもしれないが、あのときの涙は純粋に、心から美しいものだと思っ…
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明日は我が身(監禁中/ツキノ)※
※ストーリーの重大なネタバレがあります。アプリをプレイ中、またはプレイ予定のある方はクリア後にご覧ください。---「ツキノくん、なんか大変だったみたいだね」 わたしがそう訊ねると、ツキノくんは端正な顔立ちをそのままに、爽やかな顔をして笑った…
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くちびるのおく(まんマル/リンドウ)
「また笑顔の練習してんの?」 ひょこん。団子が目立つキッチンカーの裏、飛び出すように顔を出したのはマルシェの仲間のひとり、だった。客足も落ちついた昼下がりのこと、突然の襲来にリンドウは大袈裟に肩をビクつかせる。「――、さん」「あ、驚かせちゃ…
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だって、そうでしょ?(夢100/ミヤ)
最近、あたしには新しい友達が出来た。友達と呼んで許される仲なのかはわからないけれど、彼自身があたしを友達だと呼んでくれるから、恐らくそう言って問題はないのだろうと思う。 太陽みたいに笑うそいつと、卑屈で乱暴でひねくれ者、そして奇抜な見た目…
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溶けない笑顔(夢100/シュニー)
スノウフィリアの城下町。しんしんと雪が降りしきるなか、深雪に溶け込みそうなほど真っ白な少年が歩いてくる。独特の音を立てる霜のリズムを耳にして、はふと顔を上げた。開店まであと少しという刻限で、今は店先をさっと掃除していたのだ。「おや、シュニ…
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ないよ、ないない(夢100/ビッキー)
「ああ、もう、仕方ない子だねえ」 2日ぶりに泊まる、屋根のある宿。雨が凌げてよかった。しとしとと静かな雨が降り注ぐ音をかき消すように、部屋の中に威勢のいい声が響く。 軋むような音を立てる粗末な椅子から立ち上がり、いくつも上背のある男の髪をか…
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無題(夢100/リッツ)
ずいぶん目立つ金髪よね。ふと呟いたは、訝しげな目でオレを見ている。キミほどじゃないと思うと言えば、けれどもどこか納得がいかないように頬杖をついたまま唸った。逸らした瞳が色を変える、唯一無二のアイオライト。くるくると色彩を変える彼女の様が、オ…
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無題(夢100/トール)
分厚くなった手のひらを重ねる。鮮血を浴びたぬくもりは、すぐに体温と溶けあっていった。2人で下した脅威の獣が、女の長い髪を喰ろうてその場に伏している。ちぎれた金糸は血にまみれ、もはや異物に変わりなし。男は言う。帰ろうと。在りし日の想い出をだぶ…
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無題(夢100/レジェ)
――。そう呼ぶレジェの声は優しい。あたしの耳をくすぐるそれに、ぼんやりとした意識がさらに微睡んでゆくようだ。あたしを膝に乗せたレジェが、ゆっくりと背中を撫でてくる。子供やペットにするような手つきに少しムカついた気はするけれど、抗えない眠気の…
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