短編(シエル)

往来オーライ

「いた! シエル!」 フェンリル極東支部エントランスの真ん中、聞き慣れた呼び声に振り向くとそこにあったのは人の良さそうな笑み。レンズの向こうでへにゃりと目元を緩ませながら肩で息をする姿に、思わずシエルも顔をほころばせた。「どうしたんですか、…

聖域デート・煩悩編

「そういえば、お姉さんは寒いのが苦手でいらっしゃるんですよね」 ぽつり。聖域の爽やかな風を浴びながら、シエルがそう一言こぼす。いつからか「お姉さん」と呼ぶようになった彼女は、どうやら姉さんとなかなか良好な関係を築いているらしい。この前も2人…