君の名は……?

「そういえばシラシメくん、あたしずっと気になってたことがあるんだけど」
「なんですか?」
「この本に出てくる果物……そう、これは『ブルーベリー』じゃない?」
「そうですね~」
「でもこのガブリアスは『ブルベリー』って名前でしょ。これって何か意味があるの?」
「ああ……まあ、別にそこまで大した意味はなくって」
「うん」
「『ブルーベリー』よりも『ブルベリー』のほうが響き的に可愛かったし、単純に呼びやすかったからですね。ほら、僕って話すスピードが遅いから、伸ばす音がふたつあるとどうしても間延びしちゃうというか」
「なるほど……」
「でも今更『ブルーベリー』にするのも違うし、何よりブルベリー本人がこの名前を気に入ってるのでいいかなって。ね、ブルベリー」
「それは確かにそうだね。あたしももうブルベリーはブルベリーでしっくりきちゃってるもん」
「ちなみになぜブルーベリーをチョイスしたかというと~……」
「フカマルの丸くてころころしてるフォルムがブルーベリーに似てたから?」
「えっ……! な、なんでわかったんですか……?」
「あはは、わかるよ。シラシメくんの考えてることくらい、あたしにはおみとおしなんだから!」
「ぐ、ぐぬぬ……」

と、当時はまだ五文字だったんだもん……という話でした
20211012