深夜二時(ユウキ)近親愛

 ――ばかばかばかっ、ユウキのばか! もうしらない、だいっきらい――
 泣いて怒る自分の声に、思い切り叩き起こされた。おそらくもう十年ほど前の、ユウキと大喧嘩してしばらく口を利かなかったときの記憶だ。
 まさか、今になってこんな夢を見ることになるなんて。誰もいない、たった一人のベッドのうえで、あたしはここにいてくれたはずの片割れのことを思い返す。
 会いたい――けれど、もう絶対に会うことはない。そのためにここまで来たというのに、今頃になって距離を置いたことによるダメージが大きくなっている気がして、あたしは真っ暗闇のなか、声も出さずにまた泣いた。

 
あなたが×××で書く本日の140字SSのお題は『あやまりたいのに』です
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