目の前にある万華鏡(タルタリヤ)

 タルタリヤの横顔は、まるで万華鏡のように見るたび姿を変えてゆく。
 執行官としての冷たい視線、好敵手を前にしたときのギラついた横顔――家族からの手紙を読むときの、あったかくて優しいお兄ちゃんの顔。
 わたしはそれなりに近いところで色んなタルタリヤを見ながら、彼の持つ様々な側面を浴びているのだけど――
「ただいま、ミラ。今日もいい子にしてたかな?」
 わたしを見るときに細められる目元の柔らかさが、どのタルタリヤよりもすきで。どんなに冷たくて、どんなにピリついた顔をしていても、わたしを振り返るときには笑ってくれる、その事実がたまらなくて。
 タルタリヤがわたしに向けて笑顔を見せてくれることを期待しながら背中を見る、その浅ましい行為がいつまで経ってもやめられないのである。

貴方は×××で『笑ってくれる?』をお題にして140文字SSを書いてください。

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