傾きだしている(クロード)

誰かといると安らぐなんて、いつからそんなふうに思うようになったのだろう。よもや自分が誰かの隣で安息を得るようになるなんて、今までちっとも考えたことがなかった。編入先の金鹿の学級はなぜだかひどく心地が良くて、賑やかで奔放な気風が、いつしか私の心をわくわくと浮くような気分にさせていたらしい。そして、その中心に立つ人物――クロード=フォン=リーガンが私の手を引くたびに、私は言いようのない感情に苛まれ、気づけばただの学生のように、士官学校での日々を楽しむようになっていた。

 
あなたが×××で書く本日の140字SSのお題は『私の中の不可解な感情』です
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