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お使い粟田口(鯰尾)

「鯰尾くん、ちょっといいかな」 さて、今日はどんなイタズラをしてやろうか。笑って許せるものから可愛くないものまで、長谷部の背中を見ながら様々な案を巡らせる鯰尾に話しかけてきたのは、審神者姉妹の片割れであるだった。刀剣たちを目覚めさせ、まるで…

無題(獅子王)

×××へのお題は『惚れたほうが負け、とはよくいったもんだ』です。https://shindanmaker.com/392860花丸を見たよ!的な、パロディ半分でお願いします---「獅子王、獅子王! ちょっと手伝って~!」 どこか弾んだの声色…

無題(薬研)

×××へのお題は『無理やり奪って、今すぐに』です。http://shindanmaker.com/392860---- ――もういやだ、もう、やめてしまいたい、帰りたい。 日々に疲れ、俺のもとへやってくる度にが漏らしていた弱音だ。本当はこん…

無題(獅子王)

お題は『近すぎると怖い、離れても嫌。』です。http://shindanmaker.com/392860--- 刀と審神者。神と人。兄と妹。どれでもあって、どれでもない。そんな関係だと思っていた。否、そんな関係であろうとした。 彼と自分には…

無題(堀川)

「兼さん! 裾、ほつれてるよ」 ぼうっと本丸の縁側に座り込み、何をするでもなく青空を眺めていたときだった。ふと耳に入る聞き慣れた声に、自然と意識が引っ張られる。 直すからちょっとだけ待っててね。そう告げた堀川国広は、まるでかしずくように膝を…

私はそれを恐れるだろう(鯰尾)

 誰かが言った、自分たちは似た者同士なのだと。 生憎と私にはその言葉を否定する理由がない。ひとつ拾うとするなら見た目だってそうなのだろう、前髪は尚のことだが頭頂部で主張するくせっ毛、黒髪、色こそ違えどまあるい瞳。顔立ちだってそうかけ離れてい…

それを兆しと呼ぶのなら(鯰尾)

 俺の主は働き者だ。 朝は誰よりも早く起きて、俺たち刀剣男士が目覚める頃には温かい朝餉の支度を終えている。各々の味の好みを熟知しているのか、昼餉や夕餉となるとそれぞれのリクエストにだってきちんと答えてくれるのだ。 空いた時間には俺たちと交流…

幼なじみの女の子(HQ/菅原)

 容姿端麗、成績優秀、運動神経も抜群だった。 おまけに後輩には気さく接するし、目上の人間も敬うことができると人柄だって二重丸。ぱっと見なら、非のつけどころなんかない完璧超人だ。 そんなあいつは、誰に何を褒められても「まだまだだよ」と否定する…

太陽みたいなお前のことを(黒バス/黄瀬)

『頑張ってくださいね、ちゃん』 あの言葉の裏に隠された、なにかを僕は感じていた。 春に出会ってからずっと。一緒にいるときはいつも。まっすぐなあいつの言葉を心を、いつだってぶつけられてきたから。 だから気づいてしまったんだ。黄瀬が押し込めた本…

しーまーぱん!(黒バス/緑間)

 現秀徳高校生徒会長、。成績優秀で品行方正、176cmの長身を活かしてバスケ部ではキャプテンも務める有能なSGであり、その上家系は界隈で有名な資産家。本人も目が覚めるような美人で、まさに非の打ちどころがない「完璧な佳人」だと秀徳高校ではもっ…

おべんきょしましょ!(黒バス/福井)

 陽泉高校から程近い、岡村の家。築何十年とも言える昔ながらの日本家屋だ。変えたばかりの畳の香りが心地よい。 そんななか、年季の入ったちゃぶ台を前に正座させられているのはアメリカ帰りの3人組。バツが悪そうにうつむき、周りの誰とも目をあわせよう…

AM1:58(黒バス/陽泉逆ハー)

『ね、。ちょっとデートしない?』 それはとある日の深夜、午前1時58分。この上なく唐突な、内緒のお誘いでした。 「ひゃー寒い! こんなに着てきたのになあ」「あはは、雪だるまだ」「うるさいなー、もう!」 ありったけのカイロを貼りつけてきたもの…