この世がもたらす何よりも(エメリナ)※GL
「……これ、どうぞ」 目の前に差し出されたのはぐちゃぐちゃの花冠だった。おぼつかない手つきで作ったのだろうことがよくわかるそれは、幼い頃にが好きだと言った花によく似たもので彩られている。 フェリアとイーリスでは気候の差もあって自生する植物に…
ファイアーエムブレム 文章 短編(エメリナ)
誓いの弓立(ジェローム)
ジェロームがひどく優しい男であるということを、恋人であり幼なじみでもあるわたしは深く理解している。 彼は真っ当な感性を持った常識人だ。まあ、仮面の趣味やそのあたりは少し人と違ったものを持っているけれど……それでも彼が面倒見の良い優しい人間…
ファイアーエムブレム 文章 短編(ジェローム)
青と紅(クロム)
※死ネタ、息子もいる --- 凶刃が息子へ見舞われんそのとき、は半ば衝動的に駆け出していた。 それが息子のことを想っての行動なのかと問われたら、おそらくは返す言葉を持たないだろう。彼女はもはや限界だった。最愛かつ無二の幼なじみを目の前で亡…
ファイアーエムブレム 文章 短編(クロム)
おはよう、ハニー(ルキナ)※近親愛
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ファイアーエムブレム 文章 短編(ルキナ)
それはありふれた夜のこと(エメリナ)※GL
※GL --- 「大丈夫。大丈夫よ、エメリナ。あなたには私がついてるわ」 すう、すうと穏やかな寝息を立てる頬は月明かりに照らされている。ゆっくり手を触れたそれは青白いが、これでも再会したときに比べればよっぽど綺麗になったものだ。 ――あのと…
ファイアーエムブレム 短編(エメリナ)
日焼け止めなんかないものね(ジェローム)
「ね、ジェローム。お節介かもしれないけどさ、砂漠とか陽射しの強いところにに行くときは気をつけたほうがいいよ」「……なぜだ」「日焼けだよ。ジェローム、いっつも仮面着けてるでしょ? 仮面のかたちの日焼け跡とかできたら大変じゃない? しばらく他の…
ファイアーエムブレム 文章 短編(ジェローム)
笑っているのに、なあ(ルキナ)※近親愛
たった二人きりの狭い天幕のなか、聞こえてくるのはファルシオンを手入れする無機質な音だけだった。 あいにくとにそれを振るえるだけの素質はなく、父クロムから封剣を引き継げたのは姉のルキナのみであった。別に自分に素質がないことを、姉にばかり才が…
ファイアーエムブレム 文章 短編(ルキナ)
飛竜の息吹が聞こえるここで(ジェローム)
――ね、ジェローム。お願いがあるんだけど。 そう持ちかけたとき、仮面越しでもわかるくらいの嫌な顔をされたことを覚えている。 それでも彼は決して無視はせず、わたしの話に耳を傾けてくれた。ぶっきらぼうな物言いではあるが、「なんだ」と確かに。 …
ファイアーエムブレム 文章 短編(ジェローム)
縦と横とがまじわる先で(ビオラ)
「いらっしゃい、ビオラちゃん。そろそろ家までの道で迷うことはなくなったかな?」 小気味よく鳴るチャイムの音で胸が躍るようになったのは、一体いつからだったろう。 俺がちょっとした軽口を叩けば、目線より少し下にある顔はすぐにふくれっ面になって、…
ポケモン 文章 短編(ビオラ)
おはよっ!(ビオラ)
……ずしり。 体にかかる不自然な重みに、あたしは少しの窮屈さと安心感を覚えて目を覚ます。彼が――さんが泊まりに来たときはいつもこう。時には背中から、またある時には正面から、あたしは毎度毎度抱き枕にされている。 ま……まぁ、いわゆるそういう…
ポケモン 文章 短編(ビオラ)
2年の月日を飛び越えて(ヒビキ)
――あともう少しだ。先をゆく背中を見つめながら、ヒビキは深くうなずいた。 想いを寄せる彼女は自分より10cmほど背が高くて、2つの年の差があるとはいえど見上げ見下げられの関係というのは男としてひどく情けないものである。彼女に言えばきっと「…
ポケモン 文章 短編(ヒビキ)