短編(ウェンティ)

意味のある一瞬

「――ウェンティ、やっと見つけた……!」 それは、囁きの森でぼうっと過ごしていた昼下がりのことだった。ゆっくりと迫ってくる空腹の気配をごまかすように慰めていた頃、ぜえ、ぜえと息を荒らげた少女が、突如視界に飛び込んできたのだ。 不意の来訪に吟…