Log(その他)

あつい手のひら(夢100/トール)

※嘔吐描写 --- 「う……ぇ、」 びしゃ、と音を立てて吐き戻された胃の内容物。先程まで暴れまわっていたモンスターのうえに飛び散るそれは、戦いの凄惨さを何よりも物語っていると思う。目を伏せるトールは頬を撫でる風に意識をそらした。小高い丘には…

きらめく稲妻(夢100/リッツ)

「リッツ」 ふ、と。唐突に声をかけられて、リッツは反射的に振り返る。 ここは精霊の国セクンダティ、トニトルス。そよ風が木々を揺らす風景のなか、人混みの向こう側に小さなグラデーションが見えて、リッツはうんと目を細めて笑った。小柄な少女を見失わ…

お前のことが(GE/ハルオミ)

「貴方、今日誕生日だそうじゃない」 ごつん、と体格に不相応な足音を響かせやってきた人影。凛とした声に少々背筋の伸びる心地を感じながら振り向くと、そこにいたのはだった。 いつも姿勢正しく品行も方正で、自他ともに厳しくあるがゆえに彼女はあまり小…

たすまにあ?(GE/ユノ)

「ちゃん、本当に変わったよねぇ」 しみじみと、カップの紅茶を飲み干したサツキが感慨深そうに呟いた。ユノと積もる話に花を咲かせていたが、ほんのりと頬を赤らめる。もごもごと口を動かしては言葉を飲み込むの姿に、サツキはよく回る口を更に働かせた。「…

君に会えるまで後少し(GE/ツバキ)

「受け取れ」 役員区画の廊下のド真ん中で、ふと唐突に呼び止められる。声の主は他でもない、同期でありかつてのパートナーでもあった雨宮ツバキだ。白くも扇情的なデザインをした教官服に身を包み、見ているこちらが背筋を伸ばさざるを得ない、そんな雰囲気…