短編(ビオラ)

縦と横とがまじわる先で(ビオラ)

「いらっしゃい、ビオラちゃん。そろそろ家までの道で迷うことはなくなったかな?」 小気味よく鳴るチャイムの音で胸が躍るようになったのは、一体いつからだったろう。 俺がちょっとした軽口を叩けば、目線より少し下にある顔はすぐにふくれっ面になって、…

おはよっ!(ビオラ)

 ……ずしり。 体にかかる不自然な重みに、あたしは少しの窮屈さと安心感を覚えて目を覚ます。彼が――さんが泊まりに来たときはいつもこう。時には背中から、またある時には正面から、あたしは毎度毎度抱き枕にされている。 ま……まぁ、いわゆるそういう…